活動レポート

ジャパンハートはアジア3カ国と、大規模災害などで無償で医療支援をしています。

カンボジア

2019.05.22

「それぞれの、成長」

スォースダイ(こんにちは)、
カンボジア駐在助産師の菊地南です。

カンボジアはちょうど乾季から雨季への入れ替わりの時期。
ほぼ毎日午後にはスコールが降り、少し涼しくなってきました。焼けるように暑かった毎日がようやく過ぎてホッと一息・・と思ったら、毎年恒例の「メープリアン」が大量発生。

「メープリアン」は、この時期だけに現れる羽アリの名前で、「プリアン(雨)」と名前にある通り、雨の後に大量発生します。光に集まってくるので、電気を点けていると大変なことになります。この虫、一気に出てきて一気にいなくなります。1時間ほどすればいつの間にかいなくなるのですが、抜け落ちた羽だけが大量に散乱。箒で掃くと、この羽がヒラヒラ舞って、なかなかうまく掃除できません。

そんな厄介な虫ですが、わたしはちょうど3年前の5月にカンボジアに来たので、この虫を見る度に「あー、また1年経ったなー」と思い出させてくれる存在でもあります。

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先日、月に1回の石田mission(産婦人科オペmission)がありました。この手術期間に向けて、カンボジア人助産師たちと一緒に仕事の空き時間を見つけては新生児蘇生法の練習をしたり、緊急時の物品や器械の確認をしたりしてきました。初めて帝王切開のベビーキャッチに挑戦することになった新米カンボジア人助産師。
前日には、わたしが妊婦さん役、先輩カンボジア人助産師が手術室看護師役・・と配役をして、本番の流れをシュミレーションしました。

助産師 ボランティア カンボジア 医療

先輩カンボジア人助産師も、まだまだ緊急時の対応や新人教育に関しては経験不足。先輩助産師といっても、経験年数は3年未満。彼女たちに、新人のフォローをどんな風にするかを教えながらサポートします。新人のサポートのサポート。着任した頃は、寝る間もないほどがむしゃらに動いていたのに、今や見守りサポート係。自分の立ち位置もこの3年でこんなにも変わったのか、と感慨深くなります。
当日、わたしはオペ着にも着替えず、手術室の外から見ていると心に決めていました。患者さんや赤ちゃんにとっては、スタッフが新人かどうかなんて関係ありません。安全を守ることは最優先。でも、彼女達も経験を積まなければなりません。
いざ、本番!帝王切開が始まりました。新人助産師が赤ちゃんを受け取るために構え、それを見守る先輩助産師。・・・そしてそれをドアの外から心配そうに見守る、わたし。笑

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彼女達の真剣な表情に、涙が出そうになりました。運動会で頑張っている子どもを見て泣いてしまうお母さんの気持ちって、こんなかんじでしょうか。

「手放すこと」って、こんなにも寂しく、こんなにも嬉しいものなのか。
子育て経験はありませんが・・・親のような気持ちで、日々彼女達の成長を厳しく優しく、これからも見守っていきます。

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カンボジア駐在助産師 Minami Kikuchi