参加者の声

長期・短期ボランティアや研修に参加されたみなさまの声をお届けします。

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2020.05.22

国際看護師研修に参加するまで、参加したあと。

▼活動地での研修内容・経験したことを教えてください。

・国内研修(離島)
 業務内容は島内病院、病棟での一般業務を行います。病院は想像以上に設備が整っていましたが、高度な救急対応や最新の治療などはできませんでした。救急の場合は島外へ行くまで時間のロス、治療のために住み慣れた島を離れること、時には生きて島に帰れないこともあります。最期まで島で過ごしたいと島外での治療を選択しない方も居ました。このような限られた状況下で最善を尽くすこと、私達が提供すべき医療とは何か考えさせられました。また、私生活では出掛けると声をかけてくれ島について教えて下さり、魚や郷土料理などを頂くことがあり島民の温かさや繋がりも感じることが出来ました。

・海外研修(ミャンマー)
ミッション(5日/回程度、1~2回/月ある手術期間)があり、手術前後の管理、手術室内の業務を行います。術後の管理では創部の処置、補液、抗生剤の調整、抜糸、退院日、再診の決定を行いました。現地スタッフに相談はできますが、担当患者は術後から退院まで毎日自分一人が対応します。医療機器や薬品など限られた医材、患者さんの家族背景や経済状況を考慮し医療を提供する必要がありました。
日常生活では現地スタッフと共同生活を行います。文化や価値観の違いはありますが協力し合い楽しく生活することが出来ました。

看護師 ミャンマー 国際看護師研修

▼ジャパンハートの研修に参加を決めた理由を教えてください。

看護師研修としてプログラムが形成されており、現地スタッフと共に医療活動に関われるところに魅力を感じました。また、看護師としてだけでなく人間としても成長できると感じたためジャパンハートの研修に参加を決めました。

▼参加までのハードルや解決すべき課題など(仕事・お金・家族の説得など)

・仕事:病院を退職する時は人員不足や病棟の事情などを理由に退職を引き留められることはあると思います。自分で区切りをつけて決めれば問題ないと思います。
日本の現場を離れることへの漠然とした不安はありましたが、帰国してから日本の現場にはスムーズに戻ることが出来ました。

・お金:参加を決めてから研修が始まってからもお金のことばかり気にしていましたが、節約すれば大丈夫です。

・家族の説得:父は反対しないものの参加に対して良い顔はしていませんでした。自分の人生だから自分で決めて行動しなさいという両親の考えのため家族の説得には苦労はしませんでした。同じ参加者の中には反対され説得が大変だったと聞くこともありますが家族は心配で反対していると思います。参考になるかわかりませんが、自分のやりたいことが出来ている姿、幸せな姿を見れば反対していても納得してくれるのではないかと思います。

▼言語・価値観・が違う現地の方々、また駐在している日本の医療者との活動で困ったこと、また工夫などありましたら教えてください。

駐在している日本の医療者同士では医療だけでなく日常生活や人生などの価値観の違いがある中で小さなことで意見がぶつかることが多々あります。
そのような時は相手を理解してから自分の言いたいことを伝えるよう心掛けました。
自分を正当化させるのではなく相手を理解することで、問題を明確化し問題解決する能力が身につき、今まで狭かった自己の思考傾向を知り、より幅広く物事を考えられるようになりました。

▼現地で医療をする楽しみ、醍醐味はなんですか?

 医療を提供する上で知識や技術以外に必要で重要な物を見て感じることが出来ました。医材や知識、技術は日本と比較し不足しているが、患者さんに誠心誠意向き合う姿勢は素晴らしい物と感じました。
ミャンマーでは24時間家族が付き添い看病しており、患者さんや家族同士が手術後の移乗や処置の時など協力してくれます。日本では考えられない光景ですが、きっと昔の日本もこのような感じだったのだろうと思うとともに、医療の進化に伴い今の日本が忘れかけている大切な物がここにはあると感じました。
ミャンマーでは医療制度は日本ほど整っていなく、お金がない人は医療を受けられないことは当たり前です。ここが日本だったらと、もどかしいこともたくさんありますがこの地で医材やお金、関わる時間など限られた中で何が出来るかを考え抜くことで知識や技術以外に提供できる医療が見えてきました。

▼活動地での忘れられないエピソードがあれば教えてください。

 患者さんとのやり取りの中で私の話すミャンマー語が通じなかった時に周囲の人が集まり私が何を言っているか訳してくれたことです。その後も訳してくれた人は私が他の患者さんの所へ行く時もついて訳してくれました。

看護師 ミャンマー 国際看護師研修

▼帰国後はどのような活動をされていますか?

研修参加前は総合病院に数年勤めた後に在宅医療のクリニックで勤務していました。退職し研修に参加しましたが、帰国後は在宅医療に再就職したいと考えていました。
ミャンマーで研修中にヤンゴンにある孤児院、盲学校へ行きました。そこで子供たちの背景や文化などミャンマーの現状を目の当たりにしてミャンマーに関わり続けたいと思いました。
帰国後は数ヶ月程ミャンマーでの仕事を探しましたが看護師としては現実的に厳しく、以前勤めていた在宅医療のクリニックの理事長とお話しする機会があり、それをきっかけに在宅医療へ戻り個人で定期的にミャンマーへ行くことに決めました。その後いろんな縁があり、会社として支援活動ができないかプロジェクトの提案をして賛同頂きミャンマーでの人道的支援活動の立ち上げを行っています。

▼今後の参加者へのアドバイスと、参加を迷われている方へ一言お願いします。

新しいことにチャレンジすることはとても不安で勇気のいることだと思います。
この研修は時間もお金も使います。簡単に決められることではないと思いますし、私もとても悩みました。しかしやらなければ後悔すると思い参加を決意しました。
参加を決めた方には辛いこともありますが是非、楽しんで頂きたいと思います。研修では自分が期待すること、学びの材料はたくさんあります。それをこれからの人生に必ず活かせていけると思います。

看護師 ミャンマー 国際看護師研修

鎌田 沙織 様

■活動地(国内・海外):国内:上五島 海外:ミャンマー
■ジャパンハートでの活動期間(アドナー含む):2018年1月~2019年1月
■看護師・助産師歴:看護師9年目