看護師
2024.05.16
カンボジア オペ室での気づき
私は今、カンボジアでOPE室勤務をしています。
日本ではOPE室経験はなかったのですが、解剖生理や術式、術中の看護を詳しく知ることで病棟での術前・術後の患者さんの看護に生かすことができるのではないかと考え、OPE室を希望しました。
もちろん最初は分からないことすら分からず、毎日必死に覚える、行動する、失敗する、理解する、の繰り返しでした。
患者さんへの不安の傾聴や声掛けができない。クメール語が飛び交い術中の患者さんの急変対応についていけない。術式や解剖生理の知識も不足している。
出来たと思っても、すぐに別のことで自分の不器用さに凹み、一喜一憂な毎日でした。
OPE経験豊富なクマエスタッフの中で自分はここで何ができるのか。
教えてもらう立場で自分の意見や考えなんて伝えられるのか、そんな漠然とした不安が常にありました。
しかし、そんな中でも今率直に思うことは、OPE室とても楽しい!ということです。
なぜ楽しいと感じるのか自分自身考えてみると、私はOPE室というチームの中で、協働して1人の患者さんに対して医療を届けるということが好きなんだと気づきました。
そう思えるのも、クマエスタッフが、自分が大切にしている看護を根拠を持って説明し、間違っていることを間違っていると指摘し、真っ直ぐに私と向き合ってくれているからだと思います。
患者さんの安全の観点から、ここはこうしたほうがいいのではないか、日本ではこうしているのに、ともどかしく感じる部分も多いですが、
ただ課題を課題として伝え、改善策を提案するだけではなく、このチームの中で今自分にできることを常に考え、より良い看護ができる環境を作るにはどうしたら良いかクマエスタッフと一緒に考え、取り組んでいきたいと思います。
カンボジアのOPE室の様子をお届けします。
初めてのOPE準備の日で滅菌のメスホルダー装着方法のクマエに教えてもらっている様子です。クマエスタッフはみんな優しく、丁寧に教えてくれます。
手術が早く終わった日や空き時間にはOPEスタッフみんなで、手術で使うガーゼを折ったり、縫ったりしています。
術前、小児のOPEでは待合で泣き叫ぶ子が多い中、この日は待合室がシアターになり子供たちは緊張のほぐれている様子でした。型にハマらない、自由に考えて看護ができる環境で学びの多い毎日です。
看護師63期 中村砂織