参加者の声

長期・短期ボランティアや研修に参加されたみなさまの声をお届けします。

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2024.07.02

初めの小さな一歩が、人生の大きな一歩になった。

▼ジャパンハートでの活動地(国内・海外)を教えて下さい。

国内は半年間山形県新庄市、海外は1年間ミャンマー(うち1ヵ月カンボジア)で活動させていただきました。

▼ジャパンハートでの活動期間

1年半です。

▼活動地での研修内容・経験したことを教えて下さい。

国内では、内科病棟で勤務するだけでなく、僻地での看護師人材確保を目的とした問題解決やその地域の魅力の発信といった活動にも携わらせていただきました。
結果、山形が大好きな場所になりました。

海外では、病棟と手術室で活動しました。
ミャンマーの病院では手術を目的として来る患者さんが大半なので、病棟では周手術期看護がメインでした。
言葉が通じない分、これまで以上に自分の五感をフルに使って患者さんを見るようになり、今まで自分がコミュニケーションに頼っている部分が大きかったことにも気づきました。
手術室では、私は日本で手術室経験がなかったので最初は不安でしたが、自分のスキルが患者さんの体に直接影響するという実感や自分にある責任感をより強く感じる経験になりました。

▼ジャパンハートの研修に参加を決めた理由を教えて下さい。

看護師5年目のころ、自分の今後のキャリアに悩み始めていました。
日々やりがいを持って仕事できているけれど、このまま何年もここで働き続けることで自分はいいのか?もっと人生で色々な経験をしたり、世界を見てみたいと思ってはいるけど、自分は何がしたいのか分からない・・そんな時にジャパンハートの活動を知りました。

興味を持ってから参加を決めるまでは一歩踏み出す勇気が持てずに随分悩みましたが、最終的には「やってみないと自分が本当にやりやいことなのかは分からない」と、思い切って参加することにしました。今はあの時一歩踏み出した自分、よくやった!と思います。

▼参加までのハードルや、解決するべき課題など(仕事・お金・家族の説得など)

それこそ金銭面も、語学、看護師としてのスキル、私は一通り悩んだと思います。悩みつくして悩みって尽きないんだなと思いましたし、それでもまだ諦めようとはならずに変わらず悩み続けているということは、もう自分はそれほどにやりたいことなんだなとも思いました。

▼言語・価値観が違う現地の方々、また駐在している日本の医療者との活動で困ったこと、また工夫などありましたら教えて下さい。

患者さんのケアの方法で意見が分かれる時があります。勿論お互い真剣だし必死なので簡単には譲れない。
なかなかケアが思うようにいってない時ほど、悪化していったらどうしようという焦りもあるので、つい自分の意見を理解してもらうために頑張ろうとしてしまいそうになるのですが、相手の意見の理解に努めます。
言葉だけでは当たり前に思えるのですが、意外にその場では難しいこともありました。
その根拠について自分でも勉強したり、それで話し合ったり。意見は違ってもお互い患者さんのためという目的が一致しているので凄く学びも深いですし、ケアの質が上がることを体感しました。
そんな試行錯誤を経て患者さんの状態が順調になるときには何倍にも嬉しいです。
違いをあげたらきりがないほどあると思います。でも、違いの中で自分を知るきっかけにもなりましたし、違いがあるからこそ自分の中の思い込みや常識を疑ったり、そこの気づが視野を大きく広げることを改めて感じます。

▼現地で医療をする楽しみ、醍醐味はなんですか?

現地のスタッフと過ごす時間です。同じところに住んで、3食共にして、一緒に朝から晩まで患者さんと向き合って、嬉しいことも辛いことも悲しさも共有します。
特に好きな時間は、仕事終わりに病院の近くの屋台で色々と買い集めて、寮の屋上でみんなと語る時間です。ゲームで盛り上がる時もあれば、悩み相談をして一緒に涙したことなんかもありました。
言葉が違う、国が違う、今まで生きてきた環境も違う、それなのにこんなに分かり合えて、違うところも理解し合えると感じる瞬間が沢山あって、みんなは私にとってこれから先も大切な存在です。

▼活動地での忘れられないエピソードがあれば教えて下さい。

癌などで亡くなってしまった子供たちとの出会いは一生忘れません。
私は日本で成人しか診ていなかったので、海外に来て初めての小児看護の経験でした。何人か亡くなってしまった子供たちを目の前に何もできない自分に直面して凄く苦しくなった時期もありました。
そんな時に現地スタッフにどうやって乗り越えればいいのかと相談した時、「今までここに来た日本人達が何度も何度も教えてくれた。辞めたいと思うことも、泣いたこともあったけど沢山助けてくれた。」と。私も、この現場をこの先の未来へ繋ぐ一員であること。
悲しいだけじゃない、時間はかかったけれど私はそのことを通して本当に沢山の気づきがありました。悲しんでいる時間やエネルギーを、今自分が出来ることに使うことで前に進まないと、その子たちの命に触れさせてもらった時間を無駄にする気がしました。

私は今回出会った子供たちの失われた命のために私にできることは何かと問い続けます。
今、目の前で救うことが出来る人のために、あの時の自分の気持ち胸に前に進んでいきたいです。

▼帰国後はどのような活動をされていますか?(される予定ですか?)

帰国後、今はゆっくり過ごしています。子供に関わる何かをしたいと思っています。

▼今後の参加者へのアドバイスと、参加を迷われている方へ一言お願いします。

私はジャパンハートの活動に興味を持ってから参加まで随分悩みました。
色々な心配や不安がありましたが結局一番は「自分にそんなことができるのか?」でした。研修を経て今思うのは、最初から出来るはずがない、出来るかどうかではなく興味があるなら自分の為に一歩踏み出すべき、ということを数年前の自分に伝えたいです。
きっと、参加した多くの人にとって人生のターニングポイントになるような時間が過ごせるのではないかと思います。
私自身、参加前はこんなに得るものが大きいなんて想像できていませんでした。