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コメディカル

2025.01.20

臨床検査技師活動報告㉔ ボランティア活動1年を振り返って

▼はじめに
「ジャパンハートこども医療センター」での活動を始めて2024年12月上旬で1年を迎えることとなりました。
渡航当初は慣れない東南アジアの気候や生活に戸惑いがありましたが、それも時間が解決し1ヶ月もすれば体も生活リズムも現地に馴染んだように思います。そこで今回病院でのボランティア活動を中心にこれまでの1年間を振り返ってみたいと思います。

▼活動状況
活動当初はまずカンボジア人スタッフとのコミュニケーション不足でまったく英語が聞き取れず、周りの日本人スタッフに聞きっぱなしでストレスが溜まっていたように思います。
1年近く経った現在でも聞き取れずカンボジア人スタッフに聞き返すことは頻繁ですが以前のようなストレスは随分少なくなったように思います。

ジャパンハート 臨床検査技師 メディカルチーム

業務に関しては日本での日当直における緊急検査をこなしていたので特に問題なく、操作マニュアルをリニューアルし私の後に来られるボランティアさんに申送りできるよう取り組みました。

業務拡大とし日本で長く担当した微生物検査におけるグラム染色鏡検報告、血液検査における末梢血血液像、骨髄穿刺液像は日本で指導いただいた先輩に画像送信しアドバイスいただきながらも結果報告を行うようにしました。活動当初より循環器内科医師とともに心臓超音波検査のカンボジア人医師へのレクチャーの協力とともに、その医師が帰国後臨床よりの依頼があった際は検査対応し担当医への結果説明、カルテへの記載を行いました。

ジャパンハート 臨床検査技師 メディカルチーム

輸血検査における交差試験の医師、看護師向けレクチャーをカンボジア人検査技師とともに行い、技師不在時でも緊急対応できるよう取り組みました。その他検査機器の精度管理にも取組み、臨床検査に関わることで検査の立場から情報共有できることはミーティング等を通して発言してきました。

日本での院内感染防止対策に関する臨床検査技師の資格を保有していたことで現病院の院内感染防止対策委員会(ICT)に6月より所属し、感染防止対策に関するアイデアを提案し感染防止対策グッズの導入も試みました。
カンボジア人検査技師への指導教育は英語版臨床検査テキストをプレゼントし日本の医療教育動画を見せたり、心臓超音波検査は直接アプローチ方法を指導し少しずつでも私の知識や経験を還元しました。

ジャパンハート 臨床検査技師 メディカルチーム

▼終わりに
渡航前、国際医療ボランティア活動で臨床検査技師の需要がまだまだあることを私に伝えたジャパンハート短期ボランティア参加医師から次のような言葉をいただきました。「森さんが今回ボランティア活動されることは病院にとっても団体にとっても大きな意味がある」と。
私はその意味を探りながらこの1年間活動を続けたように思います。

現病院にとって現状業務の継続及び業務拡大において実際の診療に貢献したことは実績の一つであり、その他カンボジア人検査技師への指導教育や他施設との交流において意味があったことかもしれません。
それでは団体にとって私の存在意義は何であるかと考えるとはっきりとした答えはまだ見つかっていませんが、たくさんの団体スタッフと関わることで臨床検査技師へのさらなる理解と役割を把握していただいていることかもしれないと感じています。

その他、大学での講義、研究会での講演において団体のPRや臨床検査技師へのリクルートに関するアイデアも団体への貢献の一つかもしれません。これからまだ1年間の活動を通して団体にとっての私の存在意義を模索していこうと思います。

ジャパンハート 臨床検査技師 メディカルチーム

ジャパンハートこども医療センター
臨床検査技師
森 三郎

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