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臨床検査技活動報告㉜ 沖縄石垣島での病院講演を終えて
▼はじめに
「ジャパンハートこども医療センター」での活動も折り返しを過ぎ2回目のカンボジアの暑い乾季を味わっています。これまで活動レポートNo.16、No.17で昨年7月一時帰国の際大学及び研究会で講義、講演をしたことは報告しました。
昨年カンボジアでの4ヶ月間長期ボランティアを終了した小児科医・近藤雄介先生が沖縄県石垣島の県立八重山病院にその後勤務され、その病院の検査室技師長さんと以前より私が懇意にしている間柄であることを近藤先生に伝えていると、近藤先生を通じてぜひ私の現在の活動状況の話をしてほしいと検査室技師長さんより講演依頼がありました。石垣島には行ったことがなく、また自身の活動も幅広くなっていたことから伝えたいことも増えたということで沖縄での講演を承諾しました。
今回沖縄の県立八重山病院での講演についてその様子を紹介いたします。
▼講演の様子
今回の講演には検査室検査技師の方々をはじめ近藤先生のご尽力もあり医師、看護師、コメディカルスタッフ数名、そして近藤先生が近くの県立高校で講演されたということもあり1名の高校生が来院し直接私の講演を聞いてくれました。またズームによる配信も行っており、病院職員のみなさんや県立高校生徒さんも講演を聞いてくださったようで病院外からも検査技師お二人がわざわざ会場に足を運んでくださいました。
講演は➀活動中のカンボジアについて、➁ジャパンハート及びジャパンハートこども医療センターについて、➂現在の私の検査業務について、➃検査業務以外の院内・院外での活動について、➄今後の目標について、➅現在のカンボジアでの生活の様子についてフロアーからのディスカッションも想定し90分の枠で講演しました。
会場のみなさんは熱心に私の講演に耳を傾けてくださり、特にリタイア後に開発途上国へのボランティア活動を決心したことや現在の検査業務以外の院内・院外活動のアクティブさにとても関心を寄せていただいたように思いました。質問は3件あり、現在八重山病院で勤務され国境なき医師団にも参加された外科の先生から開発途上国へのボランティア活動に参加する場合のキャリアについてとこれから国際医療ボランティア活動に参加を考えている方へのメッセージをお願いしますと言われました。もう1件は一人で来院した高校生から本人はまだ進路を決めていないらしく、どのようにしたら進路を決めボランティア活動に参加できるようになるかと尋ねられました。
キャリアについてはベテランの方は教育・指導に向いているし若手はそのモチベーションの高さと行動力があるので募集する団体の要望によるのではないかとお答えし、今後ボランティア活動に参加を考えている方へのメッセージは募集する団体の要望すべてができなくても必ず役立つことはあるので、できる範囲内で協力すればいいのではないかとお答えしました。また高校生にはまず情報収集し自身がやりたいことの方向性を決め、そしてボランティア活動に興味が湧いてくればその時参加してみて自身の置かれている立場を現在と比較しそこから次に何をすべきか考えてはどうかと答えました。
▼講演を終えて
私の現在のボランティア活動は臨床検査技師の今後の選択肢のひとつとして国際医療ボランティアの道もあり、年齢に関係なくその気になればいつでもできるというロールモデルになりたいという思いで続けています。実際に国際医療ボランティア活動に参加するための経済的支援や家族を含む周囲の協力は必須です。しかし実際にボランティア活動に参加してみて自身の考え方の根本や日本人としての資質に気づくとてもいい機会を与えていただいていると考えています。今後も心と体のバランスを自身で考えながら残りの期間を過ごし自身が満足できるようなボランティア活動にしたいと思っています。
ジャパンハートこども医療センター
臨床検査技師
森 三郎