VOICE
新庄徳洲会病院での半年を振り返って
私はメディカルチームの国内活動先として山形県・新庄徳洲会病院で昨年11月から今年4月までの半年間、活動しました。
同院は一般病棟に加え、回復期リハビリテーション病棟、医療療養病棟、障害者病棟を持つケアミックス型病院です。
私は一般病棟に配属され、手術を受ける患者さん、リハビリ目的、在宅での療養が難しく施設待ちの方、看取り目的で入院される方など、さまざまな疾患・病期の方と関わらせていただきました。なかには、他の病院では入院を断られてしまった方や、自宅での生活が困難な方もおられました。「社会的入院」と言われるケースもあり、この病院が地域の人にとって欠かせない存在であることを感じました。
私はメディカルチームに所属する以前から、離島や僻地医療に興味・関心を持っていましたが、それまでは、耳にしたことがある。想像するだけのものでした。
実際に半年間、僻地で活動するなかで、たくさんの気づきを得ることができました。
限られた人数や資源の中での関わり。病状が安定している方が多く入院されていますが、状態が悪化し高度な治療が必要となった場合には、近隣の医療機関へ転院となることもありました。また、認知機能の低下や高次機能障害を抱え、自ら訴えることが難しい方も多く、自分の「気づき」の重要性を改めて実感しました。
意外にも苦戦したのは「言葉」でした。同じ日本なのに、こんなにも言葉が違うのかと驚きました。高齢の方も多く、会話が進むほど方言が強くなり、患者さんの思いや伝えたかったことが聞けるのが嬉しく思う反面、本心に近づけば近づくほど、何を話しているのか理解するのに時間がかかることも。もどかしく思うこともありましたが、そのなかで表情や声のトーンから意味を予測して聞き返してみたり、スタッフの方に聞いて確認したり、相手に寄り添う・向きあう姿勢について、自分の姿勢を見つめ直すきっかけにもなりました。
また、自分の言葉の言い回しから患者さんに「ここの人ではないね。どこ出身だい」「こんな遠いところまでよく来たね。体調は大丈夫か」「夜勤か。気をつけて帰りいや」など声をかけていただくことも多く、人の温かさに触れる場面もたくさんありました。
スタッフの方々からも、その土地ならではの体験や季節ごとの楽しみをたくさん教えていただき、仕事だけでなく地域の魅力も存分に楽しむことができました。
他にも、僻地という限られた人員の中で、グループ内応援看護師や派遣看護師など、様々な背景を持った看護師と一緒に働くことができました。年齢・経歴も異なる中で、自分に足りない知識や悩みを共有できる環境があったことも大きな財産です。
ここでの半年間は、ここに来なければ経験できなかったことがたくさんありました。
もちろん、楽しいこと嬉しいことばかりでなく、僻地ならではの環境にモヤモヤした場面もありましたが、それらすべてが、自分にとって大きな学びになったと思います。
ここでの出会いや経験・学びを今後は海外での活動や自分の看護師としての成長、そして人生に活かしていきたいと思います。
6ヶ月間支えてくださった周りの方に心より感謝いたします。
看護師
今井絢香