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臨床検査技師活動報告㊶ 隣接する公立病院臨床検査技師へのクロスマッチレクチャーを終えて
▼はじめに
カンボジアに来て1年9ヶ月が経った頃、隣接する公立病院検査室勤務のカンボジア人臨床検査技師に輸血前交差試験(クロスマッチ)をレクチャーする機会がありました。公立病院検査技師5人がわざわざ「ジャパンハートこども医療センター(JHCMC)」検査室まで足を運んで私のレクチャーを聞いてくれました。
もともと隣接する公立病院検査室にはボランティア活動当初より自身の休みを利用し頻繁に顔を出していたので、今回こちらに来たカンボジア人検査技師とは面識がありお互い安心してレクチャーに望めたのではないかと思います。
しかし彼らは私の日本での実績は把握していないはずなので訝しげに思っていたと思いますが、レクチャー前の挨拶で私のこれまでの職歴を説明したことで少しは納得してもらえたと思っています。今回はそのレクチャーの様子を報告します。

▼レクチャーの様子
今回は公立病院院長先生からJHCMC院長先生宛にレクチャーの申し入れがあり、その話が私に降りてきて私が快諾し実現しました。2025年9月中旬午後に日程が設定され、公立病院検査技師さん5名が当院検査室に訪れました。
最初の挨拶で私が日本で40年間臨床検査業務に携わったこと、主に微生物検査に従事していたがクロスマッチは緊急輸血の際何回も行ったことを事前に説明し、私がクロスマッチのレクチャーができることを納得してもらいました。
内容は昨年6月こちらの病院スタッフ向けに作成した資料を用いスライドレクチャー、こちらのカンボジア人技師作製の動画、そして私のデモンストレーションを行いました。
30分程度の短いレクチャーでしたが熱心に私の話を聞いてくださり、動画とデモンストレーションで操作のイメージはある程度つかめたのではないかと思いました。説明資料は当日に配布した資料と同じ資料をメッセンジャーでも代表の方に送って参考にしてもらいました。

▼おわりに
これまで公立病院検査技師のみなさんとは個人レベルで面識があり、敷地内で会ったり検査室を訪問した際に挨拶を交わしたりととても良好な関係を築いてきました。今回は病院間での交流だったのでボランティア活動開始してから自身の技術が現病院以外にカンボジアの他病院検査室に貢献できないか模索していたなかでの出来事だったのでとてもうれしく思いました。
今回のことがきっかけで隣接する公立病院検査室とこちらの病院検査室の交流が深まり、私の帰国後も交流を続けてお互いwin-winの関係が構築されることを願うばかりです。

臨床検査技師
森 三郎
