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▼はじめに
ミャンマーへの臨床検査レクチャーはこれまで本年2月中旬、6月上旬に直接ヤンゴン市内にある団体関連病院に赴き医師、看護師スタッフにエコー(超音波検査)、クロスマッチ(輸血前交差試験)、心電図、感染対策についてレクチャーしました。

私の残りのボランティア活動期間中にミャンマー団体スタッフより再度レクチャーの要望あり、私も最後のレクチャーとして承諾し再びミャンマーに渡航することとなりました。今回は3日間のレクチャーでしたがその様子について報告します。

▼レクチャーの様子
前回までプノンペン(カンボジア)より直行便にてヤンゴン(ミャンマー)へ渡航しましたが、今回は日程の都合上プノンペン→バンコク(タイ)→ヤンゴンへと飛行機を乗り換えて渡航することとなりました。
直行便を利用すれば2.5時間で着くところが飛行便乗り換えのため乗継時間も発生し7時間要してようやく到着しました。今回は医師4名、看護師さん7名が私のレクチャーに参加してくださいました。

今回の内容はCBC(全血球計算)データ判読(特に貧血の場合の判読)、不整脈心電図判読、グラム染色(細菌検査)、院内感染防止対策についてレクチャーしました。
またこれまでと同様、1日は団体関連の養護施設に赴き施設子どもたちの検診を兼ねた腹部及び甲状腺エコーの実習も行いました。

初日は貧血におけるCBCデータ判読及び不整脈心電図判読のレクチャーを行いました。
CBCデータ判読はケーススタディーを基に基本的事項は特に看護師さん向けに、判読からの診断については医師向けに説明しました。また不整脈心電図については動画の心電図波形を取り入れながら参加者に考えてもらうような内容にしました。

3回目のミャンマーでの臨床検査レクチャーを終えて42
2つの内容とも私の説明のあと参加された医師から看護師さん向けにミャンマー語で改めて解説いただいたことは、少しでも看護師さんに理解していただくうえでたいへん助かりました。

2日目は団体関連の養護施設に赴き施設子どもたちの検診を兼ねた腹部及び甲状腺エコーの実習を行いました。医師4名が2名ずつに分かれ、2ベッドで午前腹部エコー30名、午後甲状腺エコー30名、のべ60名の検診を行いました。これで3回目という医師はたいへん慣れておりスムーズに走査を行っていました。一人初参加の医師がいて私がアドバイスしながら実習を行いました。周りの看護師さんは子どもたちの誘導やエコー所見の記入などしてみんなで協力しながら実習を行いました。

3回目のミャンマーでの臨床検査レクチャーを終えて42

最終日の3日目は初日のCBCデータ・不整脈心電図判読の復習を行い、その後グラム染色及び院内感染防止対策に関するレクチャーを行いました。グラム染色レクチャーは医師向けのレクチャーであり看護師さんにとって聞きなれない言葉や菌名が出て興味が湧かないかも知れなかったですが、こういう検査もあることを知るうえで役に立ったかもしれません。医師にとってはこれまで習ったことの復習としてグラム染色の重要性を再認識してもらいました。
3回目のミャンマーでの臨床検査レクチャーを終えて42

▼おわりに
ミャンマーでの臨床検査に関するレクチャーを3回に亘って行いました。
この年の11月下旬には2年間のボランティア活動を終了し帰国する予定にて今回が私にとって最後のミャンマーでのレクチャーとなりました。
参加されたみなさんは毎回たいへん熱心に聞いてくださりレクチャーするこちらもたいへんうれしく感じました。
今後も機会あれば準備をしてミャンマーに赴き医師、看護師さん向けにレクチャーできる日が来ることを願って報告の終わりとします。

3回目のミャンマーでの臨床検査レクチャーを終えて42

臨床検査技師
森 三郎