VOICE
乳がん検診当日を振り返って
検診当日はJHの認定医で乳腺外科医の堀先生にお越しいただきました。以前から堀先生には専門的なアドバイスをオンライン上でしていただいていたため、当日は遂に一緒に活動できるという嬉しさもありました。
初めての取り組みであるため全く予想がつかず、正直人が来るのだろうか、という不安が強かったです。実際、人が来たHCもあれば、開始時間になっても全く人気のないヘルスセンター(以下HCと省略)もありました。しかしそこで諦めることなく、広告紙を片手に町を練り歩き、地道に広報すると噂を聞きつけた人が続々と集まり、結果的に2日間で80人の人々の検診をすることができました。中には町でたまたま声をかけた人がもともとしこりが気になっていたという人で、検査したところ悪性疑いだったためJHでbiopsy検査をしたケースもありました。そんな偶然もあるのか、と驚きましたし地道な活動も大切であると身を持って感じました。来院した方のほとんどが乳がん検診を受けたのは初めてとおっしゃっており、検査後異常がないことを聞くと安堵して笑顔で帰って行く姿がとても印象的でした。

検診では単に検査をするのではなく、啓発活動の場としても活用しました。自宅に帰ってからも定期的に自身で乳房を確認できるよう、セルフチェックの仕方を看護師から教えました。HCスタッフにも協力していただき、ともにレクチャーを行うこともありました。HCスタッフは終始協力的であり、一緒に問診をしたりエコーを見学したり、中にはHCスタッフ自身が乳がん検診を受けるということもありました。あるHCのスタッフからは、感謝の言葉とともに「私達のHCを活性化してくれて嬉しい。乳がん検診以外でもなんでも教えてほしい」という言葉を頂きました。HCスタッフといい雰囲気の中活動を行うことができたのも、何度か訪問し顔と顔の見える関係性を構築できていたことが大きかったのではないかと再認識することができました。乳がん検診事業をきっかけとして、HCとの協力体制・連携を強くし、ともにポンネル地区の医療を支えることができればいいなと思いました。

2日間のHCでの検診活動の後、3日目にはJHMCのOPDにてモバイルエコー上では判断困難であり要検査が必要な方のエコーフォローを行ったり、Biopsy検査をしたりしました。クマエドクターにとっても、堀先生から直接エコーの当て方や診断の仕方などを学ぶ良い機会になったと思います。今後も検診活動を定期的に行い、HCでの検診→OPDでのフォローアップ・Biopsy検査→悪性であった場合当院で手術→術後フォローアップと、途切れのないケア・医療を地域の方々に提供できるように今後も努力していきたいと思います。今後はポンネル地区の他のHCを訪問予定です。一人でも多くの方に検診に興味を持っていただき、乳がんが早期に発見され治療ができるよう、活動を継続していきたいです。

堀先生をはじめとし、乳がん検診事業に関わってくださった全ての方にこの場をお借りして感謝申し上げます。
看護師 蛭川陽香
