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【国際医療|参加後レポート】助産師人生の本流に注いだ、カンボジアでの一年
*職種:助産師
*活動地:
国内(6カ月):気仙沼
海外(1年):カンボジア
▼参加前の率直な気持ちを教えてください。
大きな不安や躊躇は特にありませんでした。参加すると決めた時から変わらぬモチベーションを保ち続けていたと思います。
▼特に不安だったことを具体的に教えてください。
新生児を含めた患者の生命の危機に際して、自ら主体的に行動することが参加目的の一つでした。日本で経験できていないことだったので、そのような状況下で自分が適切な判断や行動ができるのか自信を持てていなかったことです。
▼その不安は、実際どうなりましたか?
現地の助産師もとても頼もしく、実際には私一人ではなかったことで肩の荷が下りたのが初めの印象でした。いざという時の迅速さや細かい観察に基づく判断等、これまでJHが担ってきた役割を自然と期待されていることで頼りにされている部分は大きかったので、それを担ったことで苦手意識は自信へと昇華されました。

▼印象に残っている出来事を一つ教えてください。
一つを選ぶことは難しいです。日本ではできない経験を沢山できたこと、味わえない感情や考えに至れたこと全てが印象的です。それぞれの出来事にエピソードが伴うので、それぞれがその時のフェーズを象徴しています。ある一時点ではありませんが、自分の非力さに呆れ果て、傲慢さやプライドを捨てて、現地の医療者から学ばせてもらおうと考えを改めたことは、視野が広がり、敬意が生まれ、関係性や取り組み姿勢に至るまで大きな転換となった印象に残る変化でした。
▼活動を通して、自分の中で変わったことを教えてください。
好意は自分から向けないと返ってこないと学んだこと。
助産師と医師が協働する上で、協同するマインドを学んだこと。
相手の気持ちも考えも本人に聞かないと分からないと学んだこと。
▼なぜ“海外”で活動することに意味があったと思いますか?
異なる文化や医療レベルの環境で相手をリスペクトするまでには、国全体の事情や国民の生活状況を理解し、どのような医療やケアが選択され、それにまつわる医療者の考えや思いを知る全てのプロセスが必要であったと感じます。人生の勉強期間でしたが、医療に関して言えば、日本で経験できない症例や技術を体験できる場としてとても貴重でした。それらも首都プノンペンでは制限され始めているため、医療の高度化とサービス化による不可逆的な変化であるのならば、今後日本の医療者(特に助産師)がこのような機会を得る場はより貴重になるのだと思います。
▼参加を迷っている医療者へメッセージをお願いします。
個別の相談をおすすめします。
▼今回の活動を一言で表すと?
”海外でボランティア”なんとなく興味があるけど、やることリストにも追加されないくらいのいつかの夢でした。参加前も参加中も人生のスピンオフみたいな不思議な感覚で過ごしていましたが、今後助産師を続けていく上での大きな活力と大事なマインドを培いました。1年間だけ限定のパラレルワールドにいたような気分でしたが、カンボジアでの1年間は人生の本流から分かれて、最後にはより大きく太くなって本流に注ぐ支流であったと実感しています。

助産師
三澤 結衣
