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【災害支援・対策(iER)】能登半島被災地における検診活動に参加して
2026年5月25日から26日にかけて、ジャパンハートiERの活動の一環として、能登半島の被災地域で検診活動に参加した。ジャパンハートは災害発生直後の急性期支援だけではなく、その後も継続して被災地に関わり続けることを大切にしている。
活動は現地へ向かう段階から「クロノロ」で始まる。クロノロとは chronology(クロノロジー)の略で、出来事や情報を時系列で記録・共有する手法を指す。
活動当日だけでなく、「〇〇:〇〇発の新幹線に乗車」「××:××新高岡駅到着」など、メンバーそれぞれの行動がチャット上で共有される。まだ顔を合わせていない段階から情報が集まり、チームが形作られていく。
ジャパンハートはこれまで被災地で定期的に「カフェ」を開催してきた。住民が気軽に集まり、お茶を飲みながら交流できる場である。医療者はその中で自然な会話を通して健康状態や生活上の困りごとを把握し、必要な支援につなげている。しかし、本当に支援が必要な人ほどカフェに来られないこともあり我々はそれをキャッチすべくセンサーを高くする。また参加者は女性が中心で、男性の参加は少ないという課題もある。
今回のような検診になると男性の参加も増えるのだ。特にDVT(深部静脈血栓症)検査は、「エコノミークラス症候群」として被災地でも広く知られており、検査を目的に来場した住民も少なくなかった。
私は臨床検査技師としてDVT検査を担当した。2日間で50名を超える住民の検査を行い、医師・看護師と連携しながら活動した。
検査では血栓症の有無だけでなく、下肢静脈瘤、リンパ浮腫、ベーカー嚢胞などの所見も認められた。住民達のもやもやしていた心配が、話を聴くことや検査で「ああ、よかった」と元気になる様子が嬉しい。

災害支援というと、臨床検査技師の役割は限られていると思われることが多い。実際、東日本大震災当時の私自身も何かしたくても「検査技師はなにもできない」と感じていた。
しかし今回の活動を通して改めて感じたのは、私たちの役割は検査そのものだけではないということである。
住民と向き合い、話を聞き、異変に気づき、他職種へつなぐ。医師や看護師、保健師と同様に、検査技師も地域住民の健康を支える医療従事者の一員になりうるのである。
それはジャパンハートの一員であるからこそできたことであると感じる。
そして検査技師だからこそできる支援が確かに存在する。であるためには技術を磨き続ける必要があると感じている。
今回の活動を通して、ジャパンハートの支援の特徴も改めて実感した。災害発生直後に迅速に現地へ入るだけではなく、その後も継続して被災地に足を運び、住民との関係を築きながら支援を続けている。カフェ活動から検診活動へと発展していく流れは、医療職集団であるジャパンハートならではの強みであろう。
東日本大震災の時、「何もできない」と感じていた私が、今は臨床検査技師として被災地で活動している。そのことに深い感謝を感じる。
そして住民の方々からいただく「ありがとう」の言葉は、私にとって何よりの励みである。あの日感じた無力感があったからこそ、今、私だからできる支援を続けていきたいと思う。
iER登録ボランティア 臨床検査技師 NW
