VOICE

私は、ジャパンハート ラオスで小児がんプロジェクトを担当している看護師の根釜宏平です。

今回は、前回に引き続き、ラオス各県の病院を訪問した活動についてご紹介します。

現在私たちは、「せめて県病院までたどり着いた小児がんの子どもたちは、早期に首都ビエンチャンで適切な治療を受けられるようにしたい」という思いのもと、ラオス各地の県病院を広報活動も兼ねて、訪問しています。

これまでにラオスで17県あるうちの、4つの県病院を訪問していましたが、7月には新たに3つの県病院を訪問しました。各病院では、私たちの活動内容やサポート範囲の説明、患者さんの紹介体制の確認などを行い、これで訪問した県病院は合計7か所となりました。
ラオス全土に小児がん医療を届けるために ― 地方病院訪問の取り組み ―
↑訪問した県病院の位置

ラオスでは、小児がんの治療を受けられる施設は首都ビエンチャンにある国立子ども病院のみです。そのため、地方で診療にあたる県病院の先生方や医療スタッフの皆様との連携が欠かせません。私たちは、ラオス全土から子どもたちが早期にビエンチャンへ紹介され、適切な治療につながる仕組みづくりを、パートナーである国立子ども病院とともに進めています。

一方で、地方の病院では小児がんの患者さんを診療する機会が少なく、診断や治療に関する知識・経験が十分ではないという現状もあります。そのため、小児がんが疑われても適切な診断につながらず、自宅へ戻られてしまったり、必要な治療を受けられなかったりするケースも少なくありません。地方にある県病院に対して、小児がん治療について知ってもらう事が重要です。

今回訪問した県病院では、多くのスタッフの皆さんが温かく迎えてくださいました。また、私たちの活動や小児がん診療についても大変関心を持っていただき、熱心に耳を傾けてくださいました。
ラオス全土に小児がん医療を届けるために ― 地方病院訪問の取り組み ―
↑訪問した県病院の一つ。サンニャブリ県病院のスタッフと。

私たちだけで、小児がんの子どもたちを救うことはできません。県病院の先生方や医療スタッフの皆様、そして多くの関係者のご理解とご協力があってこそ、この活動を続けることができています。小児がんを早期に発見し、適切な治療へつなげるためには、県病院の皆様の存在が欠かせません。改めて、日頃から活動を支えてくださるすべての方々に心より感謝申し上げます。

ラオスでは交通事情や経済的な問題、医療へのアクセスなど、多くの課題があります。ビエンチャンまでたどり着くことができず、治療の機会を逃してしまう子どもたちも少なくありません。
ラオス全土に小児がん医療を届けるために ― 地方病院訪問の取り組み ―
↑実際の県病院までの道のり

「待っているだけでは何も変わらない。」

その思いから、私たちは地方へ足を運び、病院訪問を続けています。

この活動を通じて、実際に県病院から患者さんをご紹介いただき、現在も私たちのサポートのもと、ビエンチャンで治療を続けている子どもたちがいます。

もし私たちが現地へ足を運んでいなければ、その子どもたちと出会うことも、治療につなげることもできなかったかもしれません。私たちを信じ、夜行バスで10時間以上かけてビエンチャンまで来られたご家族や、お子さんの治療のために仕事を辞め、長期間付き添いながら治療を続けているご家族もいらっしゃいます。

だからこそ私たちは、「ジャパンハートに出会えてよかった」と思っていただけるよう、一人ひとりの患者さん、ご家族に寄り添いながら活動を続けています。
ラオス全土に小児がん医療を届けるために ― 地方病院訪問の取り組み ―
↑私たちがサポートしてる患者さんやご家族の方

少しずつではありますが、私たちの活動はラオス国内にも広がり始め、地方の県病院からの紹介も増えてきました。今年は、これまで治療につなげることが難しかった肝芽腫の患者さんへのサポートも開始することができました。
ラオス全土に小児がん医療を届けるために ― 地方病院訪問の取り組み ―
↑手洗いの啓発について、患者さんの家族や親戚と一緒に。

一歩ずつではありますが、ラオスの小児がん医療は確実に前へ進んでいます。

これからも、「ラオス全土で、一人でも多くの子どもたちが適切な治療を受けられる環境」の実現を目指し、活動を続けてまいります。
ラオス全土に小児がん医療を届けるために ― 地方病院訪問の取り組み ―
ジャパンハート ラオス
看護師 根釜 宏平