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【災害支援・対策(iER)】常駐支援で避難者の健康を守る

7月28日、令和8年熊本地震が発生。病院勤務している私は、テレビを観ていた患者さんに教えてもらいこの発災を知りました。地震に豪雨と、熊本での災害が続くことに心が苦しくなったのを覚えています。そこから職場と調整させてもらい、7月31日から8月9日までの10日間、八代市内の100名程度が避難する避難所で支援をさせていただきました。私自身は能登半島地震以来の2度目の災害支援となります。
ジャパンハートでの災害支援の特徴は、いくつかの避難所を日中に巡回するのではなく、夜間も含めて避難所に常駐しての支援であると思います。これにより、避難者の方の一番近くで一番長く関わることができ、避難者個人の健康問題と集団でみた避難所全体の問題など多くの課題を早く抽出し解決に向けて動いていける良さがあります。
しかしながら、避難所にジャパンハートの医療者がいるからといって、一時的な応急処置はできても、医療機関のように検査や投薬治療をするわけではなく、むしろ少しずつ診療を再開し始めた地元の医療機関と連携していくことを大切にしています。
では実際にどんな支援をしていたかというと、やはり災害関連死を防ぐ関わりであったと思います。真夏の発災であったため熱中症やエコノミークラス症候群には特に気をつけたのはもちろん、もともとの持病の悪化がないか、食事や睡眠、寝床の環境はどうかなど多くのことに注意を払っていく日々でした。
<具体的な支援事例>
一人で避難されていた高齢の女性。足腰が悪く一度床に寝転がると自力では立ち上がれないため、発災から私たちが現地入りするまでの3日間、夜もイスに座ったまま寝ていた方がいました。足はむくみ、そういった生活からかさらに足腰は弱り、トイレまでの歩行もままならず、まさに、エコノミークラス症候群が起きてもおかしくない危険なパターンです。遠慮されましたが、夜間であってもトイレの際は私たちが手伝うことを説明し、その夜からイスではなく横になった姿勢で寝ることができました。
念のため、ジャパンハートの医師にて下肢のエコー検査を実施しエコノミークラス症候群の原因となる血栓がないことを確認しました。
またこの方は、当初自身が飲んでいる薬は特にないとおっしゃっていましたが、どうも下肢のむくみが消えず、歩いた際の息切れが気になったため、ジャパンハートの看護師が時間をかけて詳しくゆっくりお話を聞いたところ、どうやら実は血圧の薬や利尿剤といった心臓系の薬を処方されていそうだが、地震後から飲めていないのではないかということがわかりました。当たり前ですが、避難当初にお薬手帳を持って避難されている方はほとんどおらず、高齢者の中には、自身の病気や内服薬について的確に話すことが難しい方も多くいます。その後、処方されていた内服薬を飲むようになり、足のむくみや息切れはなくなり、避難所内を一人で歩いて元気に過ごされるまでに回復されました。この方のように、足腰が弱く介助が必要な方については、当初、十分に数が無かった段ボールベッドを優先的に使えるように調整も行いました。

これはほんの一例ですが、常駐支援では、こういった個人の健康課題や避難所全体の問題などが一気に多重課題として降りかかってきます。混乱する現場ではありましたが、当時を振り返ると、私自身も含めジャパンハートのスタッフそれぞれが、自分たちの判断ミスで災害関連死が起きるのではないか、そんな危機感を原動力にしながら支援にあたっていたように思います。
微力ながら私たちの支援が、被災された方、自らも被災されながら働き続けている行政職員の皆様の一助となれば幸いです。
ボランティア看護師 日下麗那
