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「治療」という選択肢を、ラオスの子どもたちへ――小児がん治療への挑戦
私は、ラオスで小児がんプロジェクトを担当しています。
2026年8月31日から9月5日にかけて、手術活動を行いました。
今回の手術活動では、針生検を含む2件の手術を実施しました。

↑手術を無事に終えて、子ども病院のスタッフと記念撮影
【手術に向けて】
小児がんの治療は、化学療法と手術を合わせて、約1年間の治療期間が必要となります。小児がんの治療には、腫瘍内科と外科の連携が必要不可欠です。
手術に向けて、事前にオンラインで術前カンファレンスを行いました。また、日本人医師がラオスに到着してからも、現場で何度もディスカッションを重ね、どのような治療方針が患者さんにとってベストなのか、最後までみんなで考えました。

↑カンファレンスをしている様子
【手術活動中の出来事】

手術室では、術中の安全管理として、ホワイトボードを活用しながら、ガーゼカウントや出血量のカウントなどを一緒に行っています。
前回の手術活動で使用したホワイトボードの表を残してくれており、普段の手術でも使用してくれていました。
今回の手術活動では、ほとんどサポートをすることなく、現地スタッフだけでガーゼカウントや出血量のカウントを行うことができました。
私たちもそうですが、本当に必要だと感じてもらわなければ、継続していくことはできません。相手の意見や背景なども考えながら活動することが大切だと、改めて感じました。

↑実際に活用しているホワイトボード
【小児がん患者さんとご家族との出会い】
今回、手術を受けた2歳の女の子は、お母さんがお腹が張っていることに気づき、私たちがパートナーを結んでいる子ども病院を受診したことをきっかけに、私たちのサポートが始まりました。
まずは今回の手術の日程に合わせて、化学療法を開始しました。
その間も、ラオス人スタッフと度々自宅を訪問し、体調管理に気をつけながら、手術に向けてご家族も含めて一緒に支えてきました。

↑自宅で診察している様子(お母さんが見守っています)
お母さんも、治療開始当初はとても不安そうな表情を浮かべていました。
手術当日、そして術後も、とても不安そうな表情をされていました。しかし、手術から2日後には食事を開始し、歩いている娘さんの姿を見て、とても安心した表情をされていたのが印象的でした。
手術が終わった後も、化学療法が必要です。
私たちは、治療をサポートするだけではなく、「私たちと出会ってよかった」と思っていただけるような関わりを、今後も続けていきたいと思います。
私たちを信じて治療を続けてくれている小児がんの患者さんや、そのご家族に寄り添った関わりを続けていくことが、私たちにできることだと私は思います。

↑無事に手術を終えて、記念撮影
【自宅を訪問】
また、今回の活動では、私たちがサポートしている患者さんの自宅を訪問し、先生方に診察等も行っていただきました。
先生方に直接診ていただけること、そして病院ではなく自宅という空間だからこそ、気軽に何でも話すことができ、先生方にたくさん質問をしているご家族の姿が印象的でした。
また、診察後にご家族が安心し、笑顔になっている姿もとても印象に残っています

↑自宅を訪問している様子
【私たちの活動の意味とは】
このプロジェクトを開始した当初は、なかなか私たちが対象としている患者さんが見つからず、医療活動ができない状況が続きました。
去年からようやく、1人目の患者さんをサポートすることができました。
ラオスの先生からは、「なんで探さないといけない疾患を対象としているの。ラオスでは、日本で助かるような病気でも、たくさん亡くなっているのよ」と言われたこともありました。正直、私自身も、この活動に本当に意味があるのか悩んだ時期もありました。
しかし、去年は9件の手術を実施することができました。
その中で、ご家族から、「この子の寿命を長くしてくれてありがとう。長くこの活動を続けて、一人でも多くの小児がんの患者さんを助けてください」と言っていただいたことがありました。
ラオスでは、地方に行くと、まだまだ伝統療法が根強く残っています。
何を信じるか、どのように考えるかは人それぞれです。その中でも、「治療」という選択肢の一つをラオスの子どもたちやそのご家族に届けること、そして伝え続けることが大切だと感じています。
ラオスでは、さまざまな背景があり、治療を受けることへの壁が大きいのも事実です。そのような状況の中でも、「治療」という選択肢を少しずつ広げていけるよう、現地スタッフ、そしてパートナーである子ども病院のスタッフと一緒に、小児がんの治療に取り組んでいければと思います。

ジャパンハートラオス 看護師 根釜宏平
