看護師
2023.03.23
「ないからこそ」
カンボジアに来て半年が経過しようとしています。
ここには、医療面はもちろんですが、生活面でもいろいろとないものがあります。
食事:おいしいパン・ケーキ、ラーメンetc、
住:クーラー(寮にはありません)、お風呂、電子レンジ
日本と比較したら、常にないものだらけ、で生活をしています。
最初は、不便だなあ…と思うこともたくさんありました。
でも、ここで生活していると、誕生日ケーキの代わりに、スーパーでお菓子を買い集めて、ホイップクリームを使ってパフェを作ってみたり(大量に作ってしまったのですがみんなでペロッと食べてしまいました)
カンボジアもち米で餅つき大会を開いてみたり(余ったもち米で今はおこわ作りにトライしています)
みんなあるもので、いろいろな工夫をしています。そんなアイディアをみんなで出しながら取り組むのが、最近はとても楽しいなと思うようになりました。
院内でも、日本だったらごみにしてしまうようなシリンジの袋なども、ここではフォーリーカテーテルのバックを吊り下げる紐として、モニターコード類をまとめたりするのに意外と重宝しています。自分もこれが当たり前になりつつあり、短期ボランティアさんなどが来た時にびっくりされて、ああ、これは日本では普通じゃなかったと認識することがあります(笑)
日本のリハビリ室にあるような平行棒もないので、歩行練習のためにストレッチャー2台の間を歩いてもらったこともありました。(高さ調節もでき思いのほか便利でした)
ここに来るまでは、「ないこと」に対して負のイメージがありました。
でもここにきて、そんなに悪いことじゃないな、と思うことが増えました。
むしろ、こうやって「今あるもの」で試行錯誤してみたり、その結果が思いのほかよかったり、そういうことを模索する方が、お金を出してすぐモノがそろってしまうよりも、ずっと楽しみや達成感があるようにも思います。また、そうした模索の中で新たな視点や発見があったりもします。
なかなか「ものがない」という状況を自分で作るのは難しいです。ここで活動する中でこうした気づきを得られたことは自分にとって、とても大きかったと思います。これからもないことをネガティブに捉え過ぎず、乗り越えながら、楽しみながら過ごしていきたいです。