看護師
2023.10.06
初めての小児看護~ミャンマーでの経験~その2
脳組織が出ていたことで3ヶ月の間抱っこや母乳もできなかったお母さんですが、先日赤ちゃんの体調が良い時に抱っこを提案してみました。
初めは「頭の傷が心配」と話していましたが、スタッフが付き添いながら初めての抱っこをしました。抱えた時は少し泣いていたのですが、すぐにお母さんの胸元ですやすや眠り始めたのです。
驚くことに脈拍も酸素飽和度も落ち着き始めて、赤ちゃんは今までで一番良い表情をしていました。
とても感動しました。
子どもが生まれて初めて一人で抱っこした時
看護学校で学んだ「愛着形成」「タッチング」「オキシトシン」という言葉を思い出しました。
まさかミャンマーのこの地でその言葉を実感する場面に立ち会うとは思いませんでした。
その後、母乳を試してみると目を大きく開いてごくごく飲み始めました。
赤ちゃんの生命力に何度も驚かされるばかりです。オキシトシンの力で術創もよくなることを願うばかりです。
ここでの患者さんとの関わりは自分が看護として大事にしていることを発揮できることが多くあります。日本にいたときは時間に追われ、患者さんとじっくり向き合うこともできませんでした。
それがとても苦痛に感じていました。
それ以前に自分がどんなことを大切にしているのか気付かされることもあります。小児経験がなかった私ですが、どんな形でも家族の希望や意向に沿いながら、挑戦できたことに大きなやりがいを感じました。
そしてただ挑戦するのではなく、その先に期待することを考えながら実践できた時に初めて自分の中で大切にしていることが見えた気がしました。
今回、小児の中でも乳児の看護は私にとって未知の世界でした。体重は増えないけどミルクの量は正しいのか、母乳とミルクの量はどう調整したらいいのかなど分からないことが多くその度に立ち止まりました。
そんな時に6期生に助産師の方がいることを思い出しました。その方は現在カンボジアで活動されているのですが、その都度メッセージで相談させていただきました。
現在ミャンマーにはコース生は2人なのですが、期を超えて相談できることがとても心強かったです。
引き続き赤ちゃんの成長を見届けられるようできることを考えて挑戦できたらいいなと思います。
そして今月の20日に無事生後3ヶ月を迎えました。
ミャンマー人の先生が乳児の正常な動き、反射について家族とスタッフに説明している場面
60期 Y