看護師
2024.10.18
できることの限界。でも、その限界は変わっていく。
前回のつづき(前回はこちら)
この医療現場でできることに限界がある。
でもその限界は今の限界であって、この先、その限界は変わっていく。
その先のことにも目を向けながら、カンボジアとは違う医療の限界を持った日本で看護をしてきた自分ができることを考え、やれることはやる。
この患者さんとの関わりも含め、発表原稿を作るにあたってカンボジアでの活動を改めて振り返り、自分の中で明確になったここで活動をする目的でした。
無力さのようなものを感じながらも、この事例を通して自分の経験や知識からクマエに伝えられること、次の患者さんにつながることは何でもやろうと思いました。
その中には、ここでは今できない治療内容もあります。
しかし、それも含めて伝え、一緒に考えたり知識を共有することには意義があると感じます。
そう思わされるのも、一緒に仕事をしているクマエの勤勉さと、新しいことを知りたいという好奇心やハングリー精神の強さを感じることが多いからです。
私の中にある限界も変えていかないといけないと思わされます。
アセスメントに機器やデータをあてにしている自分を自覚し、フィジカルアセスメントや少ないデータをいかに深掘りして患者さんの病態理解に活かせるか。
分かりやすく知識や情報を共有して、現場の看護全体に還元できるか。
先日実施したACLSのレクチャーもそういう気持ちで実施しました。
カンボジアで受ける機会はほとんどないというACLSの講習。
しかし、心停止の患者さんは実際に来ます。病棟での急変や今回のような重症患者さんに対応する機会は今後もあります。
その時のために、何ができるか。
クマエと一緒に考えながら自分ができることやするべきことを探し、行動に移すことは大変ですが、やりがいを感じます。
学会の発表では、カンボジアでの活動も含め、今まで色々な経験と知識と考え方を教えてくれた方々に感謝の気持ちでいっぱいでした。
同時に、もっとたくさんのことを知らないといけないし、知りたいと思いました。
活動を通して生まれた選択肢として、もう少しでカンボジアを離れ、ラオスに移ります。
最後までここでできること、やりたいこと、求められていることを考えながら、活動をできるところまでやり切りたいと思います。
クマエへの学会の報告も…‼やらなきゃ。
看護師62期
関山 弘子