コメディカル
2024.11.25
臨床検査技活動報告⑳ ファーマシー(薬局)のメディスンバイに同行して
※臨床検査技師活動報告⑱まではこちらをご覧ください。
【はじめに】
以前の活動レポートにおいて検査室における試薬・物品管理について紹介しました。
その際、院内の試薬・物品の購入はメディスンバイと呼ばれる院内ファーマシー(薬局)が院内各部署よりの発注を集計し、月に一度プノンペンにある薬局薬店に病院の車で直接購入に向かうことを紹介しました。
今回休日を利用してメディスンバイ同行の許可を得て、医薬品・試薬・物品の購入を見学しましたのでその様子を紹介いたします。
【メディスンバイの様子】
午前8時より始まる早朝ミーティング終了後、8時30分頃病院エントランス前に配車された大型車に乗り込み、まずはプノンペン事務所に向かいました。
プノンペン事務所にてファーマシー担当者が各店舗で支払う現金を受け取り、その後市内にある薬局薬店に向かいました。今回回った薬局薬店は7店舗であり、現場は店舗の並列するいわゆる薬局薬店ストリートでした。
ファーマシー担当者が事前に発注しておいたリスト通りに各店舗が準備した医薬品・試薬・物品を受け取り、さらに追加の物品あれば購入しそして現金を支払うという形式でした。
私はファーマシー担当者が店舗担当者とのやり取りの間店舗内を散策し、特に業務で使用する物品、感染防止対策グッズ、興味のある抗菌薬を陳列棚から見つけ価格と用途等をチェックしました。途中店舗担当者やファーマシー担当者にカンボジアでの状況を確認し、自身不明であった事項についてもはっきりしたように思います。
ファーマシー担当者に今回の検査室物品購入の有無を確認したところ発注記録をスマホで確認していましたが、その各部署よりの発注原本の多さに驚かされました。院内各部署の数多い発注を集計し滞りなく医薬品・試薬・物品を購入する労力は、調剤というファーマシー本来業務と同等の労力が必要であると感じました。
また購入を同じ店舗でしているのかとファーマシー担当者に聞くと、各店舗も数ある中からリサーチし少しでも安い店舗から購入しているとのことで経費節約のための苦労も感じられました。
【今回の経験から】
現病院は小児固形がん患者が多く入院している病院であり、以前より医薬品特に抗がん剤は高価なため毎月購入金額の中で占めるウエイトが高いと聞いていました。
それでも経費節約のために少しでも安価である店舗を検索し購入数もできるだけ抑える姿勢には改めてファーマシースタッフの努力を感じました。
検査室もファーマシースタッフと協力しできるだけ無駄なく診療に困らないよう試薬・物品管理に心がけようと今回のメディスンバイ同行を通して思いました。
ジャパンハートこども医療センター
臨床検査技師
森 三郎