参加者の声

長期・短期ボランティアや研修に参加されたみなさまの声をお届けします。

[ メディカルチーム ]

[ 短期 ]

[ エリア ]

2019.08.05

研修を終えて。

▼ジャパンハートでの活動地(国内・海外)を教えてください。

国内:対馬いづはら病院(長崎県)、女川町地域医療センター(宮城県)

▼ジャパンハートでの活動期間

国際長期看護研修:平成26年5月~平成27年4月
アドバンスドナース:平成27年5月~10月

▼看護師・助産師歴

平成23年4月~平成26年3月 神戸大学医学部付属病院(神経内科・膠原病リウマチ科・総合内科・放射線科の混合病棟)
平成26年5月~平成26年10月 対馬いづはら病院(ICU・NICU)
平成26年11月~平成27年4月 ワッチェ慈善病院(病棟・手術室)
平成27年5月~平成27年10月 女川町地域医療センター(診療所外来・病棟)
平成27年11月~平成28年3月 訪問看護ステーション 安信(訪問看護)
平成29年5月~        整形外科メディカルパパス(診療所外来・病棟)、派遣看護師(有料老人ホーム・グループホームなど)
※平成29年4月からは学生なのでアルバイトのみ

▼活動地での研修内容・経験したことを教えてください。

対馬いづはら病院では、島の救急医療の最後の砦であるICU/NICU(算定用件は満たしていないが…)に勤務し、主に急性期疾患の看護や救急対応を経験した。ワッチェ慈善病院では、手術室やその前後を看る病棟で勤務した。どちらも、大学病院勤務時に比べ扱う疾患が多く、看護師の責任下で行う範疇も広かった。研修期間を通して、自身の知識や対応力の無さを痛感するとともに、様々な場面に対する適応力や多様な価値観を許容できる心の広さを持つことができたと思う。アドバンスドナースとして勤務した女川町では、診療所で外来から入院、検診まで関わらせていただいた。診療所だけでなく、東日本大震災後の仮設住宅や離島での診療、終末期患者への往診などを経験した。また、地域のイベントなどへの参加を通して、医療者だけでなく地域に住む様々な職種の方々と交流する機会を持つことができた。

看護師 医療ボランティア 海外 ジャパンハート

看護師 医療ボランティア 海外 ジャパンハート

▼ジャパンハートの研修に参加を決めた理由を教えてください。

大学を卒業したときから、漠然と将来は地元に帰り医療過疎地域で働きたいと考えていた。大学病院での勤務も3年目となったころ、目標達成のためにどのように行動すべきか分からないながらも、このまま同じところにいてはいけないと思い、偶然見つけたジャパンハートの短期ボランティアへ参加した。その際に、実際に活動されていた看護師や医師と話し長期研修への参加を決めた。

看護師 医療ボランティア 海外 ジャパンハート

▼参加までのハードルや解決すべき課題など(仕事・お金・家族の説得など)

仕事は、当時の師長はじめ上司へ相談し円満な形で退職した。経験年数も浅く、職場が学習機会などのために設けていた休職制度などは利用できなかった。現在も、元職場の上司や同僚とは交流がありよい関係を築けていると思う。
資金は3年間の貯蓄を用いた。寮に入っていたこともあり、3年間で研修やその間の生活にかかる費用は十分まかなうことができた。もし、自身だけでは資金面に不安があっても、本当に参加したいと思い援助が受けられるのであれば、相談してみるのもよいと思う。また、国内での勤務期間中は非常勤職員扱いではあるが給与が支給されるため困ることはなかった。
家族には参加を決めた後で報告した。母は、私が一度決めたことは譲らない性格であることを把握しており、応援してくれた。

▼言語・価値観・が違う現地の方々、また駐在している日本の医療者との活動で困ったこと、また工夫などありましたら教えてください。

通訳がいるとはいえ言語の壁は存在し、話せるに越したことはなかった。私は、半年の間に患者や家族が何を訴えているのかが分かり、最低限のことを説明できる程度にはなったと思う。同じ半年間でも、スタッフ個々で言語習得には大きな差(聞き取りすら怪しい人から、読み書きができる人まで様々であった)があり、個人の努力にかかっている部分が大きいと思う。現地の人々との生活習慣や価値観の違いは確かにあったが、私自身はそれを負担に感じたりすることはなかった。むしろ、日本人の同期と意見が合わないことのほうが多く、よくぶつかった。このような環境の中で適応できず体調を崩してしまうスタッフもいた。適切な相談先を持っておくことや、仕事ばかりにとらわれない(サボるというわけではなく、抜くところは抜く)こと、相手の立場に立って物事を考える習慣を持つことが重要であると感じた。

看護師 医療ボランティア 海外 ジャパンハート

▼現地で医療をする楽しみ、醍醐味はなんですか?

異なった環境で、本当の意味で自身の実力を試すことができるところ(自分の場合はボロボロだったが…)。場や対象が変化しても変わることのない看護の本質について考えることができるところ。意欲の高い人たちと共にすることで多くの刺激を受け、自身の意欲を高い状態にできるところ。様々な地域の文化や価値観に直接触れられるところ。帰る場所がたくさんできるところ。

看護師 医療ボランティア 海外 ジャパンハート

▼活動地での忘れられないエピソードがあれば教えてください。

ワッチェで受け持った当時14歳の女の子の症例が最も印象深い。ワッチェで普段行うことのない開腹手術を行い術後を任されたものの、知識も技術も追いついていかず上手く関わることができなかった。このときに自分の未熟さや、周囲の多くの人に支えてくれていることに改めて気づいた。この子とは現在も時々手紙などでやり取りをしており、元気な姿を見せてくれている。
アドバンスドナースとして勤務した女川町では、任期を終え地元に帰る前日に、仲良くしていただいた町の皆さんにサプライズで送別会をしていただいた。そこには、医療者でない人も多くとても嬉しかったのを覚えている。現在も、年に1、2回は女川を訪れるが、いつ行っても暖かく迎えてくださる地域の方々には感謝しかない。

看護師 医療ボランティア 海外 ジャパンハート

▼帰国後はどのような活動をされていますか?

研修参加前は、研修後の具体的な進路については一切考えていなかった。
1年間の研修終了後も進路を決めることができず悩んでいた。研修担当スタッフと相談し、半年間活動を延長することにした。最後に活動した女川で医療者として地域全体に関わることの面白さや、小さな集団だからこそ求められる上に立つ者の重要性について学び、医師として地域医療に貢献したいと考えるようになった。ジャパンハートでの活動を終え、医学部再受験を目指した。勉強と並行して縁あって巡り合った訪問看護ステーションで勤務した。その後、勉強に専念することを決め、1年間の勉強期間を経て大学へ入学した。現在は大学で勉強しながら、週末などは看護師として働いている。ジャパンハート関連では、smile smileプロジェクトやツアーアテンド、各種イベントなどへ機会を見て参加している。将来は、地元の愛媛県に戻り僻地医療の現場で働きたいと考えている。

▼今後の参加者へのアドバイスと、参加を迷われている方へ一言お願いします。

迷っている時間があれば、一度短期ボランティアなどから参加してみるのがよいと思う。
国際協力関連であればJICAやMSF、NGO団体など、国内であれば看護協会や各学会、NPO法人などが様々な看護師向けの研修やボランティアを募集している。それぞれに特色があり、終了後のキャリアも変わってくると思う。自分の目的・目標を達成するためにどこに身をおくのが適切であるか、色々と調べ参加してみるのがよいと思う。

看護師 医療ボランティア 海外 ジャパンハート

看護師 医療ボランティア 海外 ジャパンハート

国際看護研修34期生 中平啓倫 様