VOICE

プノンペンに設立した新病院の開院に関わるため、メディカルスタッフとして半年間の長期ボランティアに参加しました。その参加中に、iER(International Emergency Relief)海外訓練としてカンボジアの小学生の健康診断を行うという話を耳にし、ここにきて参加せずに帰国はもったいないと少しだけ滞在を延長してカンボジアにおける活動の締めとしました。

 

検診業務でありながら海外での災害支援訓練であるという取り組みがなんとも面白いものです。検査技師という職業柄、検診には検査技師ありきという勝手な思い込みがあったのですが、今回の検診では検査をしない検査技師でした。

私の担当は最後の確認。検診シートに名前・年齢・身長・体重・脈白・血中酸素飽和度・睡眠時間・食事回数・既往歴・診察結果‥‥等、記入漏れがないか否かの確認担当。検診シートをもってきてくれた子のシートを確認して、オークンチュラン(ありがとう)、チョップハウイ(おしまいだよ)と声かけて終了する。

ジャパンハート【災害支援・対策(iER)】カンボジア 異国での検診 ~検査をしない検診業務~

すべての検診終了後、スタッフ達が各々に子ども達と遊びました。その時間の子どもたちは、検診時の口元をきゅっと結んだ緊張した顔ではなく、どの子も白い歯をだして眼を輝かせてスタッフ達に駆け寄ってきたきらきらした顔が印象的です。

ジャパンハート【災害支援・対策(iER)】カンボジア 異国での検診 ~検査をしない検診業務~

 

ジャパンハートの新病院には電子カルテが導入され、誰もがスマートフォンを持ち、プノンペン市内には公立の学校に加え私立の学校も多く、多くの若者は日常の英会話ができます。我々ボランティアは不要では?と感じるときすらあったものの、やはり貧富差は大きく学校にいけない子、医療を受けられない子がいます。人も町もあちこちの雑多な勢いは、私があの子たちと同じくらいだった昭和の日本を思い起こさせます。

 

今回の歯科医の参加で行われた歯科検診では、子どもたちが大きく口を開けられない…というのを聞きました。また同様に、新病院で一緒に活動をした放射線技師からもこんな話を聞きました。「カンボジアの子どもたちは胸部X線写真を一枚撮るだけでも大変、言葉の問題だけではなく彼らが検査をすることに慣れていないからやりにくい」と言うのです。それは勿論日本の子どもたちに比べてのこと。日本の子どもたちにとっての病院や検診は今や日常の一部になっているのでしょう。いつか検診がここカンボジアにも根付きますように。

 

先進国とのギャップを抱え、昭和のようで昭和じゃないこの国の若者たち、彼らはスマホ・アプリ・SNSそしてAIを使いこなし、どう突き進んでいくのでしょう。

 

今回の参加、とても書き尽くせないほど多くのことを感じました。iERスタッフ の皆様、共に参加された方々、お世話になりました。見聞き感じたことすべてが刺激的でいろいろなことを考えさせられました。

 

2026/4/26~28参加 臨床検査技師 渡部典子