VOICE

令和8年熊本地震の災害医療支援に参加し、私は看護師としてだけでなく、一人の人間として大きな気づきを得ました。災害支援というと特別な看護が必要だと思い込んでいましたが、実際に避難所で人々と向き合う中で、平常時と変わらない「人への向き合い」が一番大事なのだと強く感じました。避難所は社会の縮図であり、生活環境は大きく変わっても、人が生きようとする姿は力強く、時間をかけて修復されていくものなのだと実感しました。

ジャパンハート【災害支援・対策(iER)】2026年熊本地震ジャパンハート災害支援ボランティア活動報告

私は8月1日から9日、移動日除く8日間を八代市太田郷コミュニティーセンター避難所にて支援をさせていただきました。初日に住民の方々から「来てくれてありがとう」と笑顔で迎えていただいたことが忘れられません。
家が倒壊し、負傷し、先の見通しも立たない中で、温かい言葉をかけてくださった。その瞬間、私は“支援に来た側”ではなく、共にこの状況を乗り越える一人として迎えられたような気がして、自分に与えられた滞在期間中、全力で被災者の皆様のお役に立てるよう尽力することを自分自身に誓いました。

支援中に私が大切にしていたのは「自分の五感」です。目で見て、耳で聞き、触れ、匂いを感じ、違和感を逃さずチームで共有し、医師へ報告する。これは平常時の看護と変わらない、私の看護の原点でした。
毎朝5時に起きて巡回し、体調不良者の早期発見に努め、会話の中の「実はね…」という言葉の奥にある不安や困りごとを拾い上げて支援につなげました。
診療や処置は限られた物資の中で行われ、市販のガーゼや包帯、給水車の水を使った傷の洗浄など、節約しながらも必要なケアを続けました。避難者の「ただいま」「おかえり」の言葉が交わされるたび、当たり前の生活がどれほど尊いものかを感じました。

シャワー浴介助では、限られた環境の中でも「きれいになった」と満面の笑顔を見せてくださり、その表情の変化が私自身の喜びにもなりました。リハビリ支援では、歩行意欲を取り戻していく姿に、人が本来持つ力強さを感じました。
また、避難所支援は医療だけでは終わりません。地域包括支援センターや介護支援専門員と連携し、生活再建につなげる支援も重要でした。家を失い、頼れる人がいない方々が安全に暮らせるよう、地域ケアにつなぐ役割を果たせたことは、私にとって大きな学びでした。

今回の支援を支えてくださった長崎県対馬病院の皆様、家族、友人、そして「来てくれてありがとう」と迎えてくださった住民の皆様に深く感謝しています。
これからもジャパンハート災害スキームの一員として必要とされる場所へ向かい、人様のお役に立てるよう私の看護人生を精進してまいります。本当にこの度は熊本に呼んでいただきありがとうございました。

 

ジャパンハートiER災害スキーム 看護師 Rina Togo