2024.11.05
カンボジアの周産期医療を経験して
1年間の活動を終え、率直な感想を教えてください
大変なこと、後悔すること、落ち込むこともありましたが、振り返ると、楽しかったです。
そして、日本と比べると、カンボジアの出生率は高く、沢山の母子に出会い、沢山のお産に立ち会うことができました。貴重な経験の多い、充実した1年間を過ごすことができました。
ジャパンハートに参加したきっかけを教えてください
日本で6年間、看護師と助産師として働き、何か新しいことに挑戦したいと思い探し始めました。
やりたいこととして、1.海外で働いてみたい、2.助産師の仕事を続けたいの2つがあがり、ジャパンハートの活動がマッチしました。
カンボジアでの活動について教えてください
助産師として、周産期事業で活動しました。
周産期事業では、主に、隣接する国立病院のサポートがメインです。
具体的には、妊婦健診(無料胎児エコー、保健指導等)、ハイリスク分娩のサポート、ハイリスクの産後ケアです。
その他、ジャパンハートで関わった児の乳幼児健診、地域活動としてジャパンハートのあるポンネル地区の8つのHCで出張妊婦健診、NCPRの普及活動などを行っています。
現在は、国立病院で帝王切開を開始する計画があり、それに向けて産婦人科医、カンボジア人の助産師たちと一緒に一歩ずつ準備を進めています。
また、活動中に1ヶ月間、現地のHCに滞在する機会もありました。
言葉もほとんど通じない中で、リアルなカンボジアの医療や周産期管理、文化を感じることができた貴重な経験です。
この1年間でも、現場の状況は日々変わり、その都度、カンボジア人のスタッフたちと話し合い、できることをやってきました。それが少しでも、未来の誰かの命を救う一助になればと思っています。
途上国での1年間の活動を通して、得られた一番の学びは?
助産技術含め、たくさん学びがあったので、1番と言われると難しいですが、異文化の中で活動する難しさかもしれません。
カンボジアには、もちろん、カンボジアのマニュアルややり方があります。
国民性や経済状況、働き方、伝統療法や迷信など、日本と違うこと、知らなかったことがたくさんあります。
まず、それらを理解することに時間がかかりましたし、今でも苦戦しています。
それを考慮しながら、ニーズを捉えて、継続可能な方法を考えて、理解、受容してもらえるように説明をし、実施に繋げる。
日本では同じ文化や似た価値観が基礎にあるのでスムーズだったことが、カンボジアでは、同じやり方では失敗したり、押し付けになったりすることも沢山あります。
継続して欲しいからこそ、文化や相手の立場を理解し、その上で可能な方法を考えることの重要性を学びました。
それは実際に海外で活動し、現地の人たちと関わっていく中で学ぶことができたと思っています。
日本でも文化は同じでも価値観や生活習慣が違ったりします。
この学びを活かして、今後も、相手の理解、相手に寄り添った提案、行動を心がけていきたいと思います。
今後のキャリアについて教えてください
今後のキャリアはまだ未定です。
ですが、今回の活動を通してやはり助産師の仕事が好きなことを再確認できました。
経験を活かして、今後も助産師は続けて行きたいと思っています。
ジャパンハートでの海外医療活動に興味がある人へのメッセージを教えてください
途上国での活動に不安がある方もいるかもしれませんが、カンボジア人のスタッフと一緒に助け合いながら日々活動しています。
カンボジアの人たちはみんな温かく迎え入れてくれます。
現場の状況は日々変わるので、その時できることを自分のできる限りでやってきました。
あまりハードルを作らず、興味があればぜひ参加してみていただきたいです。
助産師 柳