VOICE

▼はじめに
ジャパンハートでは「ジャパンハートこども医療センター」での長期ボランティアを考えている方や、勤務先の病院での業務経験を活かし国際医療ボランティア活動を肌で感じたい方のために、短期ボランティアというカンボジアに渡航し5日間現病院で業務を経験するプログラムがあります。

私が参加した2023年頃、短期ボランティアは長期ボランティアのための必須条件ではなく任意という状況だったので、私は短期ボランティアに参加せずいきなり長期ボランティアとして活動を開始しました。
私がボランティア活動を開始してからお二人の短期ボランティアが現病院での業務を私とともに経験し、日本での技術や経験を活かしてカンボジアの地で医療活動を行いました。今回はその様子について紹介いたします。
臨床検査技師活動報告㉟ 検査室での短期ボランティア受入れについて

▼活動の様子
短期ボランティアの病院到着はボランティア活動する週の月曜午前10時頃で学生インターンの出迎えを受け、病院施設案内や病院生活における注意点が事務スタッフや学生インターンより申し送られ午後2時頃より検査室での活動開始となります。その週の金曜日午前中で活動は終了となります。

活動開始時には私から現病院検査室の特徴や個々の検査機器及び機器管理について説明し、その他検査キットや輸血に関する運用等を紹介します。その他事前準備した検査業務についてスライドを用いてここでの業務概要を説明します。 臨床検査技師活動報告㉟ 検査室での短期ボランティア受入れについて

ボランティア活動期間は日常検査見学から検査実施までの医療活動を実際に行っていただきました。実施した内容を列挙すると、全血球計算(CBC)測定、電解質測定、末梢血塗抹標本染色及び鏡検、細菌検査におけるグラム染色及び鏡検、血液型及びクロスマッチ、感染症検査、輸血パック入庫及び払出、血液ガス模擬測定、外来エコー・隣接する公立病院検査室・周産期センター見学等を活動期間に行っています。

長期ボランティアを視野に入れている方には具体的な業務を実施することで、現病院で自身ができる協力内容がより明確となり今後の準備において貴重な時間となることと思います。また国際医療ボランティア活動を経験したかった方にとっては、現場での業務や現病院で活動する多くの日本人ボランティアを目にすることでこのような人生の選択肢もあることを心に刻んでいただいたのではないかと思います。
臨床検査技師活動報告㉟ 検査室での短期ボランティア受入れについて

▼おわりに
現在短期ボランティアは長期ボランティアのための事前体験で東南アジアの気候、現地の生活、病院環境になれるかどうかのいわゆるお試し期間的な存在になっています。短い期間でも多くの現地日本人ボランティアやカンボジア人スタッフと時間を共有することで実務の経験はもとより国際交流による異文化理解のきっかけになると思います。私もできるだけカンボジアでの経験をうまく伝えられるよう説明し、そのことで現病院の検査室をより理解してもらえるならとてもやりがいのあることと思いました。
臨床検査技師活動報告㉟ 検査室での短期ボランティア受入れについて

ジャパンハートこども医療センター 
長期ボランティア臨床検査技師

森 三郎