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臨床検査技師活動報告㊱ 大阪で開催された日本医学検査学会発表を終えて
▼はじめに
日本での在職中は学術活動の一環として所属学会学術集会等に頻繁に参加し、データ整理した内容や珍しい症例があった場合に自ら発表することで自身のスキルアップ、レベルアップを図ってきました。退職した現在は新しい知見や未経験の症例報告は難しく海外医療ボランティア中ということで日本国内への学会参加は見合わせていました。
今回所属する日本臨床検査技師会(日臨技)が開催する全国学会(日本医学検査学会)が今年5月大阪であり、カンボジアで経験した臨床検査技師としての活動状況を報告することで海外医療ボランティアを考えている臨床検査技師のための一つのロールモデルになると思い発表しました。その学会発表の様子について報告いたします。
▼学会発表
学会は2025年5月10日(土)~11日(日)大阪グランキューブ大阪(大阪国際会議場)で行われ、私の発表は2日目14:20からのセッションで登壇しました。講演タイトルは「国際医療NGOボランティア活動に参加して」と称し、内容は「ジャパンハートこども医療センター」の概要、現在の検査業務、検査業務以外の院内及び院外活動について発表しました。
すでに講演等で詳細な活動を報告していたのでその内容を6分間にまとめたものですが、拝聴していただいたみなさんにとってたいへんインパクトのある内容だったように感じました。
会場よりの質問としてお二人より4つの質問をいただきました。検査業務についてオールラウンドの必要があるか、日本ではどういう資格を保有していたか、ボランティア活動期間はどのように決めたのか、海外でのコミュニケーションはどうしているかについて聞かれました。回答として私自身は現病院の検査業務についてすべてカバーしているがその必要なくボランティア活動に参加された方のできることを協力すればいいのではないかと回答しました。その他日本での資格は感染管理に関わる資格を保有していたこと、活動期間はもともと青年海外協力隊志望だったので当初より2年間の活動期間は決めていたこと、コミュニケーションは英語で病院スタッフと会話しているが拙い英語でも一生懸命さが伝わればいいのではないかと回答しました。
今回学会企業展示会場に私の勧めでジャパンハートブースを出展していただきました。海外医療ボランティアに興味ある多くの検査技師及び学生にジャパンハートをより知ってもらう取組みとして行ったものです。団体スタッフがブースで来訪者に説明していただいき準備したパンフレットも多く配布できたことはそれなりにブース出展の成果があったように思いました。
▼おわりに
今回2年振りの学会発表となりたいへん緊張しましたが、無事発表を終え学会発表後のあの解放感を久々に味わいました。また全国学会ということもあり日本での在職中たいへん懇意にしていただいた技師の先生方や、企業の方々との再会はこれまでたくさんの方と関わってきたご褒美のように思いました。
また今回ジャパンハート側に今後の検査技師リクルートのため企業展示会場に私の勧めでブース出展していただいたことは、団体スタッフに検査技師の学会を知ってもらういい機会でもあり、また団体と検査技師派遣に興味を示した病院検査部門管理者とのつながりができたことは大きな成果であったように思いました。私も1日だけですがブースの手伝いをしましたが、多くの検査技師の方がブースに来てくださり団体のことや現在の活動について来訪者と会話しました。このことが今後の検査技師リクルートにつながればいいと思い、また機会あれば講演等を通して団体PRや国際医療ボランティア活動参加の素晴らしさを広めたいと思いました。
ジャパンハートこども医療センター
長期ボランティア臨床検査技師
森 三郎