VOICE
子どもたちが見た新病院-子ども支援スタッフより
子ども支援スタッフの福山です。ついに新病院が開院し、既存の病院に入院していた小児がんの患者さんたちもこちらの病院にお引越しとなりました。移送の日に感じたことをぜひ言葉にしたいと思ったまま、あっという間に時間が過ぎてしまいました・・!
【引っ越し準備】
移送の前々日まで、私は既存の病院でいつも通り子どもたちと遊んだり、引越しの準備をしたりしていました。子どもたちも引っ越し作業を手伝ってくれて、「ネックルー(先生)は新病院に来る?」と聞いてきてくれた子もいました。

▲こちらのプレイルームともお別れ
移送前日の午前中、一足早く個人の引っ越し。午後に初めて新病院を訪れ、想像を超えるダイナミックな空間に驚きました。いろんな方の思いがこの環境を作り出してくださったのだと思うと、感謝の念が止みません。病棟の設営を手伝うとともに、かなり広くなったプレイルームの設営と飾り付けをしました。

▲子どもたちを待つガラス張りのプレイルーム
統一感がありませんが笑、出来合いのもので飾り付けしました。新しいプレイマット、既存の病院から持ってきたすべり台などのおもちゃも設置。面積に対してまだおもちゃが少なく寂しいので、これでしばらく遊んでくれたらなと思って置いておいたプレイマットの「端っこ」は、今でも子どもたちのお気に入りになっています。
掲示した画用紙にWelcome to our new HOMEと書いたのは、新しい環境でこれまでと変わることはたくさんあるけれど、私たちスタッフの存在や想いは変わらずあるということ、新病院はまだできたばかりで無機質なところもあるので、早くHOMEのような温かい環境だと思って欲しいことなどから書きました。(英語はおそらくあまり伝わってませんが・・!)
【引っ越し当日】
子どもたちは全員体調も良く、元気に病棟まで上がってきました。キラキラした笑顔で、かなりテンションが上がっているのが見て取れました。

▲早速プレイルームで遊びまわる子どもたち

▲プレイルームから見えるセンターサークル(病院中心の大きな丸い庭園のような場所)を見ながら、「トムトム!(おっきい!)」と言っています。
病棟でお迎えした私やナースの姿を見て、笑顔で「いた!」という表情を浮かべながら子どもたちが抱きついてきたり、保護者の方々も笑顔で挨拶してくださったりして、新しい環境に対する興奮や不安が入り混じる中、少しでも「安心」を作ることができたのかもしれないと嬉しく感じました。ジャパンハートの歴史的な日であるということをひしひしと感じ、新参者の私でも込み上げてくるものがありました。
そしてもう一つ思ったことは、「全員が元気(体調が良い)」という状況はとても特別だということです。日々の治療の中では、必ず誰かしらが化学療法などをしており、その影響で体調が優れずに寝ていたり、吐き気や発熱でなかなか笑顔が出なかったりする期間があります。そんな中で、移送のために治療スケジュールも調整され、引っ越し当日は全員が笑顔で病棟内を走り回る姿を見て、とても嬉しく、希望を感じました。
発展途上にあるカンボジアの小児がん治療ですが、できるだけ多くの患者さんがこうして症状が落ち着いて、笑顔で退院の日を迎えられるように、サポートしていきたいと強く感じた日でした。
【その後】
もう一つ特筆したいことが、もともととてもシャイだった子たちが、このお引越しをきっかけにとても開放的になったことです。子どもたちの多くは日本人にも慣れていて、とても人懐こく、最初から積極的にアプローチしてきたり、笑顔を見せてきたりします。しかしシャイでなかなかお母さんのもとから離れなかったり、たまに近くには来るけど笑顔はなく去って行ったりする子もいます。
しかし新病院に来た瞬間、人が変わったように開放的に喜びを示している姿がいくつもあって、とても驚きました。「開放感」を感じにくい入院生活の中で、この環境の変化が、これまで内に秘めていたものを解き放つ大きなきっかけになったのだと思います。
綺麗な新病院の環境を一緒に喜び合ったことで、彼らとも距離が縮まり、それ以降より深い関係を築けるようになってきています。

▲寄付でいただいたプラレールで遊ぶ子どもたち
病院の規模や関係者の数も大きく広がり、実際に当日の子どもたちの様子を見ることができなかった関係者や支援者の方も多いと思います。私が一番近くで見せてもらったこの光景を、少しでもシェアできていれば嬉しいです。
子ども支援スタッフ
福山紗耶佳
