VOICE

私はこの1年の海外活動期間中、ワーキンググループのひとつであるemergency teamに所属し、ACLSコースの開催を目指していました。
※ACLS(Advanced Cardiovascular Life Support=二次心肺蘇生法)

そして、1月末にカンボジア人スタッフによるACLSコースをついに開催することができました。参加者は医師2名、看護師3名の計5名でした。このコース開催に至るまでに、チームのメンバーとレクチャーやデモンストレーションの練習をたくさん重ねていきました。
カンボジア人スタッフによる初のACLSコース開催
日本では医療者がACLSコースを受けることは当たり前のようにできますが、カンボジアではほとんどその機会はありません。そのためACLSコースをカンボジア人スタッフが主体的に開催するということは大きな挑戦であると私は考えていました。しかし彼らはいつも前向きに、貪欲に知識や技術を習得し、ついには他のスタッフに向けてレクチャーができるほどまでに成長しました。

当日はカンボジア人スタッフがレクチャー、実技、ケースシナリオ、そしてテストと全ての進行をメインで行いました。この活動を始めた当初からは想像できないほどの堂々とした姿で、私自身も嬉しく思いました。
カンボジア人スタッフによる初のACLSコース開催
ACLSコースの勉強を始める前、ほとんどのカンボジア人スタッフは除細動機に触る機会すらもありませんでしたし、アドレナリンの投与タイミングや心停止時の波形判読などについて、医師を含めて知識や理解が曖昧なスタッフが多かった印象があります。

また、急変時には、スタッフが一気に現場に集まりそれぞれ自分ができることをしようとするあまり現場は混乱し、チームとして協働することが難しいことも課題の一つとしてありました。

そのため知識の習得はもちろんのこと、ケーススタディを通してチームで活動することの大切さを教えることに重きをおきました。実際ケーススタディでは参加者全員がそれぞれリーダーを務め、役割分担や指示を出すことなどの大切さを学ぶことができました。

参加者からの感想では、皆一致してこのコースに参加できて嬉しかったという言葉がありました。さらには今まで曖昧だった知識が明確になり、次に急変対応をする際には前よりも自信をもってできる気がする、という感想もありました。

1日中頭も体もフル稼働して疲れもある中でも、最後には達成感や満足感に満ちた参加者たちの顔が印象的でした。

先日チーム内でミーティングをした際には、すぐに次のコースを開催したい!とカンボジア人スタッフ自ら発信があり、次の開催の日程もあっという間に決まりました。自ら次の講義担当や開催までのスケジュールはどうしようかと相談している姿を見てとても胸が熱くなりました。
カンボジア人スタッフによる初のACLSコース開催
私は今回の活動をもってチームを去ることになりますが、意思を受け継いでくれるスタッフがいることを誇りに思います。
この活動が院内に広がり、今後はBLS同様に他の病院でも普及活動ができるようになるなど発展していくことを期待しています。

看護師
蛭川陽香