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【能登半島地震 災害支援・対策(iER)】4月おしゃべり喫茶開催 in 門前町・能登町 活動レポート①
2回目となる今回の参加では、初回の活動とはまた違う印象をもちました。
その都度、関わる住民さんによって支援者として入る側の印象も変わってくるのかもしれないと感じさせられる経験となりました。
医療ニーズという意味では、訪問で出会う人とカフェ企画に参加してくる方とでは層が異なってくるというのが体感です。
よく考えてみると当たり前のことかもしれませんが、前回は仮設住宅訪問メインで、今回はカフェ会場メインで関わることができたため、それを実感することができました。
やはり会場にこられる方は基本的には健康であり、またセルフケアの密度も高いです。端的に言えば、動ける人は元気である、の一言に尽きます。
公民館の会場では仮設住宅の方だけではなく在宅避難者の来場もあり、印象に残るお話を伺うことができました。
支援の分配と表現したらいいのかわかりませんが、仮設住宅団地では集会所があることが多く、炊き出しやレクリエーションなどのイベントが行われるているため、情報が掲示板への張り出しやポスティングなどで入手されやすいです。
一方で在宅避難者の方はそういった情報や支援が入りにくいです。
仮に情報が入って集会所に行ったとしても、団地の者ではないとして邪険に扱われることもあるそうです。
ただ、ある住民さんは情報を得るために毎日公民館に出入りしているとおっしゃっていたので、情報入手に関して工夫している人もみられました。
また、似たような支援が被るという問題もあり、支援を行うにしても行う側と受ける側のマッチング制度みたいなものがあればよいのかもしれないと感じました。
そして、災害後の健康問題として考えさせられたことがあります。
ある住民の方は避難生活の際にカップラーメンの汁を捨てる場所がないために全部飲んでいたと話していました。
仕方ないとはいえ、これが続いてしまうといわゆる災害高血圧の一因となってしまうだろうと感じました。
前回の活動も今回の活動も医師として関わって感じたことは、人が困っているときは医師を前にすると素直に何でも話してくれるが、平時の元気なときはむしろ逆に話をしてくれなくなるということでした。
私自身の問題でもあるかもしれませんが、医師と明かさないほうが日常生活の話がしやすいと感じました。
ある住民の方に話の流れで禁煙を勧めたとき、「それは誰に言われるかだよね」とおっしゃられていました。
ご家族、特にお子さんに言われるなら言うことをきくのにといった雰囲気でした。納得のいく考え方です。
医療者であっても一個人として相手のことを心配していても、医療者であるということが相手に負担を与えているかのようでした。
セルフケアを考えてもらうにあたって肩書や職種というものは難しいです。これまでの医師患者モデルもよくなかったのかもしれません。
燃え尽き症候群で医療から離れていたこともあり、個人的には元医師という気持ちで参加させていただいきましたが、私は紛れもなく医師であるということを認識しましたし、医療職としての人との関わり方を考えさせられました。
ありがたいことに今回も前回も医学生や看護学生と活動を共にする機会がありました。
人に寄り添うことは誰にでもできることであると思うので、医療団体として総力で活動を遂行できたことはよかったと思っています。
ありがとうございました。
iER登録ボランティア医師
Y.O