参加者の声

長期・短期ボランティアや研修に参加されたみなさまの声をお届けします。

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2023.06.16

挑戦した先にみえてくるもの。離島医療から海外へのチャレンジ。

▼活動地での研修内容・経験したことを教えてください

<国内研修>
奄美大島の名瀬徳洲会病院で活動しました。
実際に配属された病棟は、産婦人科(周産期医療)と内科・整形外科などの女性混合病棟でした。

周産期医療のみならず、婦人科疾患(子宮筋腫や子宮頸がんなど)の看護、リハビリ期の整形外科疾患、内科疾患の看護を学べる病棟です。
スタッフは勉強熱心な方々が多く、様々な資格の取得や研修などに積極的に参加していました。

また、勤務内には医師によるNCPRや母体急変対応、緊急CSやコロナ禍の対応などの勉強会がコンスタントにありました。個々や組織としてもスキルアップを目指している病棟に私自身も刺激を受けたくさん学ばせて頂きました。ゆりかごから墓場まで学べ、看護ケアのレベルアップができる環境でした。

グローバル助産師 ジャパンハート

<海外研修>
カンボジアでは妊婦健診、産褥新生児ケア、一人っ子研修、ハイリスク分娩、帝王切開、乳幼児検診、モバイルマザークラスなどがメインの活動です。

限られた環境の中で、1番は患者さんとその家族のためになにが出来るのか。
日々考えながら、現地助産師への教育も行いつつ、お互いに切磋琢磨し活動していました。

一人っ子研修では現地のヘルスセンターに滞在し、現地スタッフと共に働き、分娩から縫合まで実施。妊婦健診ももちろんエコーやCTGといった医療機器はない中で対応をしていきます。

グローバル助産師 ジャパンハート

カンボジアならではの周産期医療を学べたのは、私の価値観や経験に大きな影響与えてくれました。

▼ジャパンハートの研修に参加を決めた理由を教えてください

離島医療に興味があり調べている際に、ジャパンハートのことを知りました。人生一度きり、せっかくならば離島と発展途上国においての周産期を学んでみようって思ったのがきっかけです。

▼参加までのハードルはありましたか。

決断力とその意志を継続すること。
私の場合はコロナ禍だったのもあり、いつ研修が始まるのか、いつ海外へ行けるのかが不明瞭でした。
その中で、気持ちを保つのが1番大変でした。
決めてしまえばやるしかない。
後はなぜチャレンジしたいと思ったのか。
そこがぶれなければ大丈夫だと思います。

▼価値観が違う現地の方々、また駐在している日本の医療者との活動で困ったこと、また工夫などありましたら教えてください

困ったことはあまり思いつかないです。
周りの人達に助けられ日々過ごしていました。
コミュニケーションも言葉だけではないなと実感しています。
私は決して英語が得意なわけでもありません。それよりも、なにを相手に伝えたいか・相手をどこまで知りたいと思うのか。
相手に寄り添えば、何かしらのアクションが返ってきます。
文化の違いや価値観の違いを知ることで、自分の中の固定概念が外れていきました。

▼現地医療の醍醐味はなんですか

目の前の状況において、そこにあるもので最善を尽くすにはどうすればいいのか。
妊産褥婦や赤ちゃん、その家族にとっての1番の幸せはなにか。
常に自分で考えなければいけない、数々のシチュエーションがたくさんあることです。
ここには充分な医療機器はありません、医師も必ずいるとも限りません。
決断するのも、その責任を負うのも自分自身です。
不甲斐なさや葛藤もあったけど、その中で楽しめている自分もいました。

▼活動地での忘れられないエピソードがあれば教えてください。

ヘルスセンターで出会った患者さんが、うちの妊婦健診に来院してくれました。
その人はHDP合併妊娠、ハイリスクの妊婦さんです。

こちらが指示する薬を飲まなかったりとありましたが、それには彼女なりの理由があり、それは話してくれなかったら分かりませんでした。
私たちはどうしてもこの方に元気な赤ちゃんを産んで欲しいと、クマエ助産師と話し合いプランを立案。
まずは彼女に寄り添うところから始めました。そうしたら、彼女も心を開いてくれて表情もフォローアップの度に変化していきました。

結果的にプノンペンの病院に行かなければいけない状況になりましたが、ただこちらの意見を押し付けるのではなく、彼女の背景などからこの患者さんにとって今必要なことはなにか。介入方法をみんなで考えられたのは良かったかなと思います。

▼帰国後はどのような活動をされますか?

研修終了後は、スタッフとしてカンボジアで活動しています。
現地の助産師たちと、1人でも多くの妊産褥婦や赤ちゃん、その家族を救いたいと思ったからです。

▼後の参加者へのアドバイスと、参加を迷われている方へ一言お願いします。

1度きりの人生の一部分にしか過ぎません。
やってみたい!と思ったらその時間を自らに使うのもいいと思います。
参加する理由は人それぞれですが、挑戦した先には少なからず見えてくるものはあるかと思います。
確かに踏み出す1歩には勇気がいると思いますが、その1歩さえ踏み出せてしまえば、あとは経験へと繋がると思います。

加藤あすか様
経歴 助産師歴:10年目(研修参加時7年目)