VOICE
小児がんプロジェクト 私たちがラオスで活動する意味とは
現在、私はラオスの国立子ども病院と協力し、「小児固形がん周手術期技術移転プロジェクト」を担当しています。2025年度から本格始動したこの活動では、日本から専門医を招き、計5回の医療活動を実施。9名の子どもたちへの手術を行うことができました。

ラオスの人口は日本の愛知県ほどであり、私たちがサポートしている固形がんは日本でも症例が多くありません。さらに、ラオスの医療環境や文化的背景などさまざまな課題がある中で、対象となる患者さんを見つけること自体が容易ではありません。また、ラオスで活動することには多くの困難もあります。
一つの例として、ラオスの地方では、日々の生活を送るのが精一杯という現実があります。土地を売って病院への交通費を工面しても、高額な治療費は払えず、手術を拒んで帰宅を選択せざるを得ないご家族もいます。「これがこの子の寿命だった」「これ以上痛い思いをさせたくない」という言葉の裏にある経済的困窮に、私は何度も葛藤しました。
確かに、家族と寄り添い暮らす彼らは、日本人の目にはとても幸せそうに映ります。しかし、「治療すれば助かるはずの命」を、そのままにはしたくない。救われた命の先には、新しい家族や次の世代への繋がりが待っているからです。

手術を受けたご家族からいただいた「この子の寿命を延ばしてくれてありがとう」「ジャパンハートに出会わなければ、治療ができず助からなかったかもしれません。本当にありがとうございます。ラオスでは、いまだに助からない命がたくさんあります。この活動を長く続けて、一人でも多くの命を救ってほしい」という言葉に、私たちがここで活動している意味があると、感じました。


また、私たちが初めてサポートした腎芽腫の患者、ソンサイくん。化学療法と手術、そして術後の治療を乗り越え、約1年にわたる闘病生活を終えようとしています。

初めて出会ったときは、まだ生後2ヶ月でした。今では1歳を迎え、すくすくと元気に成長しています。 早期に治療を開始し、適切なケアを届けることができれば、救える命があります。ソンサイくんと、その家族のような笑顔を一人でも多く守れるよう、これからも私たちは全力を尽くしてまいります。
「この活動を続けてほしい」というご家族の切実な願いが、今の私の原動力です。一人の看護師としてできることは限られているかもしれません。それでも、目の前の「助かるはずの命」を一つでも多く救うために、これからも真摯に活動に向き合ってまいります。
来年度も私たちの活動を応援していただけると嬉しいです。


看護師
根釜宏平
