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言葉を越えてつながった医療 ― ラオス甲状腺ミッションで見た笑顔
1月末~2月にかけて約2週間、ラオスのウドムサイにある病院で行われた甲状腺手術ミッションに参加しました。私はカンボジアのジャパンハート医療センター(JHMC)で約5カ月を過ごし、新しい環境での手術ミッションに参加できるということで、楽しさ3割、不安7割の気持ちで挑みました。

ラオスにおいてジャパンハートの日本人スタッフは、現地スタッフが術前・術後の看護ケアをしっかり実施できるよう指導を行う立場にあります。そのため、術後ケアに加え、現場の状況把握やコミュニケーション面での不安もありました。しかしミッション前から、ラオス事業の看護師・関山さんをはじめ、日本から手術のために来られる伊東先生や堀内先生とともにオンラインでミーティングを重ね、術式やリスクを共有しながら事前準備を行うことができました。そうして準備を整え、カンボジアからラオスへ向けて出発しました。
ラオスは山や川に囲まれ、街並みも美しく、空気のとてもきれいな場所でした。山岳地帯であるため多くの部族が存在し、部族間で言語も異なることから、さまざまな言葉が飛び交っていました。そんなラオス・ウドムサイ病院でのミッションを通して、私の中で一番印象に残っているのは、ある患者さんの術後の笑顔です。

とても大きな腫瘍を抱えて手術に挑んだその患者さんは、術前診察の際は笑顔を見せていました。しかし、実際に手術を受け無事に腫瘍を摘出した後は、あまり笑顔が見られませんでした。その患者さんは腫瘍が非常に大きく、術中の状況によっては気管切開管理になる可能性や、術後出血のリスクも高いなど、他の方よりも予測が難しくハイリスクなケースでした。そのため、現地スタッフとともに観察を丁寧に行い、経過に逸脱があればすぐに報告・相談を行う体制をとっていました。笑顔が少ないことを現地の看護師も感じており、患者さんを気にかけ、寄り添いながら安心できる声かけを続けていました。
そんな中、現地の医師から摘出した腫瘍の写真と術中の様子について、PCのスライドを用いながら説明がありました。その説明を受けたとき、患者さんの表情に安堵が広がり、笑顔があふれました。その笑顔を見た瞬間、私は涙がこぼれそうになりました。
現地スタッフとともに一つひとつ確認しながら指導を行い、その積み重ねの先に、患者さんの安心した笑顔を見ることができたのです。言葉や環境の違いを越え、医療に対する思いを共有しながら取り組んできたからこそ、説明後に見せてくれたその美しい笑顔は、私にとってこの活動の意義を改めて実感させてくれる、かけがえのない瞬間となりました。

私が参加したこのミッションを必要としている人がいて、その人たちのために参加できたこと、そして参加して良かったと、心から実感しました。
ラオス甲状腺ミッションに参加し、国境を越えてすべてのスタッフが同じ目標を持って挑む熱意と優しさに触れることができました。このような貴重な経験の機会をいただき、本当に感謝しています。このミッションに参加できて本当に良かったです。ありがとうございました。
看護師
井口優雅
