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私は、ラオスで小児がんプロジェクトを担当しています。

▶ラオスの小児がんプロジェクトについての前回の記事はこちら

2026年5月24日〜29日に、今年初めての手術活動を行いました。
今回は、パートナーである九州大学病院から田尻教授、川久保先生、山口先生にお越しいただきました。合計5件の手術を行い、そのうち4件が小児がんの患者さんでした。
ラオス小児がんプロジェクト 2026年度初めての手術活動を通して
【プロジェクトは患者さんを探すところから(治療ができることは当たり前ではない)】
今回の手術活動は、手術の対象となる患者さんを探すところから始まりました。
パートナーであるラオス国立子ども病院の腫瘍内科部長にご同行いただき、ラオス各地の県病院を訪問しました。

今回手術を受けた患者さんの中には、私たちが地方へ出向いて実際に出会い、ビエンチャンで化学療法を受けた後に手術へ臨んだ方もいます。夜行バスで10時間以上の道のりをかけて、首都ビエンチャンまで来て、治療を受けています。また、お母さんも仕事を辞めて、子どもの治療に付き添っています。

無事に手術は終了しましたが、今後も約半年間の術後化学療法が必要であり、引き続きビエンチャンで治療を受ける必要があります。患者さんやご家族と関わる中で、「治療を受けられること」が決して当たり前ではないことを日々実感しています。
ラオス小児がんプロジェクト 2026年度初めての手術活動を通して
【手術に向けての準備】
手術に向けては、術前の化学療法を調整する必要があります。化学療法によって腫瘍を小さくし、手術に適したタイミングで実施することが重要です。
手術活動に向けて、腫瘍内科と実際に手術を行う外科医が連携し、化学療法を調整しながら、安全に手術が行えるよう準備を進めてきました。

また、術前カンファレンスをオンラインで実施し、内科と外科が連携して手術に向けたディスカッションを行いました。それに加え、手術前日には関係者が集まり、術中や術後に起こり得るリスクについて共有し、安全に手術が行えるよう準備を整えた上で手術当日を迎えました。
ラオス小児がんプロジェクト 2026年度初めての手術活動を通して
【手術活動中の出来事】
このプロジェクトは、実際の医療活動が始まって約1年半が経ちました。手術活動としては今回で3回目となります。

手術活動中にもさまざまな課題がある中で、嬉しかった出来事が一つありました。手術活動の最終日に、小児病院のスタッフから「普段の手術でもホワイトボードを活用し、ガーゼカウントを実施した」という報告を受けました。

ラオスの病院では、手術中の安全管理について、まだまだ改善する余地があります。少しずつではありますが、私たちが伝えようとしている思いが相手に伝わった瞬間だったと感じました。

もちろん、「継続」というものは、本当に必要だと感じてもらわなければ続きません。相手の意見を尊重しながら、今後も一緒に考え、活動を続けていきたいと思いました。
ラオス小児がんプロジェクト 2026年度初めての手術活動を通して
【ラオスで私たちにできること】
ラオスでは、小児がん治療を受けるためには地方に住んでいても、首都ビエンチャンへ来る必要があります。

さらに約1年間という長期間、家族と離れて生活しながら治療を継続しなければなりません。
そのため、日々の生活を維持することと治療を継続することとの間で、厳しい選択を迫られるご家族が少なくないのが現状です。

もちろん、現地に根付く伝統的な価値観そのものを否定するものではありません。しかし、「適切な治療によって助かる可能性がある」ということを根気強く伝え続けていくことが、私たちにできる大切な役割の一つであると感じています。

ラオスでは、病気や治療に対する考え方、信じるものも多様であり、医療へのアクセスや治療継続にも多くの課題があります。
そのような状況の中でも、少しずつでも治療という選択肢を広げていけるよう、今後も現地スタッフとともに取り組んでいきたいと思います。
ラオス小児がんプロジェクト 2026年度初めての手術活動を通して
ジャパンハートラオス 看護師 
根釜宏平