ラオス
2019.12.16
異文化コミュニケーション。
ラオス北部(ウドムサイ県病院)での手術活動・内科診療活動に、ミャンマーで切磋琢磨した、心強い仲間が来てくれました。
ミャンマーから看護師をラオスに迎えるにあたり、食事など好みに合うかどうかと私達ラオススタッフは心配しました。しかし、ミャンマー看護師は、ミャンマーでもラオスに近い北部地域が出身であったため、出身地域と似た食事に安心し、喜んでいました。ラオススタッフからラオス語を学び、ラオス語を覚える速さに驚きました。
そして、彼女の出身地域でも似た言葉を使っていることを彼女は知って、驚いていました。ラオス看護師のユニホームに興味を持ち「あれを着てみたい」とも言っていました。彼女の好奇心、学習意欲に圧倒されました。私は国境を越えた文化の繋がりに不思議さや面白さを感じました。同じ、アジア人ということなのでしょうか?
私はミャンマーを離れるときは、「ミャンマー人看護師に会うことはない」と思っていましたが、会えたことの喜びと「ママジ」(年上のお姉さんという意味)と呼んでくれる懐かしい響きに癒されました。
ラオス事務所は首都ビエンチャンにあり、ウドムサイへは飛行機で1時間の移動。ラオススッタフ総勢8人での移動は、ちょっと旅行気分?
ラオス事業では、ウドムサイ県病院で甲状腺に特化した診療を行っています。
プロジェクトとして外科治療・内科治療・甲状腺看護の技術移転を目指しています。ラオスは内陸国ということもあり、海産物の入手が難しく、ヨード不足による甲状腺疾患が多いとされています。実際、毎回内科診療には再診患者と多くの新規患者さんが来院されます。。遠い地域から来られる患者さんは、7~8時間以上バスに乗り来られる方やバイクで6時間以上かけて受診される方々もいらっしゃいます。
長距離を移動して来られる患者さんの多くは、バスやバイクの振動による眩暈など体の不調を訴えられる患者さんも多いです。診療の最後に駆け込むように来られる患者さんもいます。その人達は私達の診療場所に着くと、疲れて座り込むことが多いです。
このような患者さんの姿に私は頭が下がる思いで一杯になります。「患者さんが住む地域に、甲状腺を診療できる病院があればいいのに」と思わずにいられません。私達はこのようにして、私達の内科診療に来られた患者さんに丁寧な問診、診療を心がけています。今回の11月診療には、87人の患者さんが診療を受けられました。
このプロジェクトが始まり、1年半が経ちます。現地の看護師も甲状腺患者の症状観察ができるようになりました。
現在では、私たち日本人看護師をサポートしてくれます。ラオス人看護師・ミャンマー看護師・日本人看護師と国際色豊かです。国を超えて助け合えることが、なんだか不思議でもあり、平和の喜びを感じました。国際活動の素晴らしさを見た思いです。私はラオスいれてよかった。また私たちの技術、知識などがウドムサイに定着していっている様子を見ると、嬉しいかぎりです。
神波 輝子