ラオス
2020.02.28
カンボジアの心で、ラオスを救う。カンボジア育ちのジャパンハートナース
ラオス事業地は、他の事業地に比べると少ない人数で運営しています。そのため、ウドムサイ県病院での甲状腺治療活動時には、ミャンマー・カンボジア事業地の看護師が応援に駆けつけてくれています。
2月の手術活動にはカンボジアからクマエ(カンボジア人)スタッフのDany(ダニー)看護師が来てくれました。
ダニー看護師にとっては、初めての海外、そして飛行機…
そんな緊張感は感じさせず、常に笑顔で元気いっぱいだった彼女のラオスでの様子をお届けします。
▼移動疲れもなんのその
夕方の飛行機でプノンペンからビエンチャン(ラオス首都)に渡航し、ウドムサイへは翌日朝の飛行機で移動という流れでした。
ウドムサイに到着してすぐに「手術室はどこですか?見たいです!」「患者さんはもう来ていますか?診察介助やります!」と積極的に活動してくれました。
彼女は普段カンボジアで、手術室に所属し日本から来た大学病院チームの直接介助(器械出し看護師)もこなしています。今回短期ボランティアで参加された手術室看護師さんともすぐに意気投合し、一緒に手術室資料に目を通していました。
▼手術開始!
到着翌日より手術開始が開始しました。
今回、ダニー看護師への依頼は直接介助の指導がメインでした。せっかくラオスまで来てくれたので「直接介助もしたいですか」と聞くと「はいっ!!やりたいです!」と満面の笑みで答えてくれました。
自分の仕事に誇りを持っているからこそ出る言葉と表情に、同じ看護師として尊敬と喜びを感じました。
「手術室看護師になろうと思ったのは、直接治療に関われるからです。患者さんを良くしたいという想いがあるからです。」と、彼女は話してくれました。
▼ラオス×カンボジア×日本
手術室では、河内順先生(ジャパンハート認定医)とラオス人医師・看護師とクマエ看護師が、ラオスの患者さんの手術に臨む姿がありました。
ジャパンハートの活動では、珍しくない光景です。だけどいつまでたっても慣れることはなく、心地よい想いがこみ上げてきます。誰かを治したい、という思いは平等で純粋、言葉や環境を簡単に越えていきます。
ダニー看護師はとても小柄です。1年半前、奨学金生として学校を卒業しジャパンハートの活動に参加しました。まだあどけなさすら残るその可愛らしい姿。しかしそれも、執刀医の横に立った瞬間、一変します。
全身を使って術野を見つめ、次に行われることを判断します。その真剣な表情から改めて、手術にやりがいを感じているということが伝わってきました。
また、手のひらに、こっそりハサミなどのラオス語を密かにメモし、現地看護師が直接介助の時は的確なアシストをする姿もありました。
▼ラオスでの活動の感想は?
「ラオス事業は病院に入り、現地の医療者と一緒に協力しながら手術活動をしています。そのチームワークがとても素晴らしいです。すごいと思いました。
カンボジアでも、ジャパンハートとカンボジアの病院がもっと協力できるようにしていきたいと思いました。とても楽しかったです!またラオスで活動したいです!」
▼カンボジア帰国後…
ラオスでの活動の歴史や、ラオスの甲状腺疾患の現状について熱心に質問をしてくれました。また、興味を持ってくれただけではなく、クマエスタッフに対して報告会を行ってくれました。
ダニー看護師のラオスでの経験、また医療に対する姿勢や想い、そして勉強熱心な姿が、これからのジャパンハート、カンボジアを支える力になると感じました。
ダニー看護師、ありがとうございました。
ラオス事業
看護師 吉田