医師
2024.12.11
小児がん病棟イベント~オープンホスピタル~
今回は私が初めて企画段階から携わった「オープンホスピタル」について紹介させていただきます。
▼小児がん病棟でのイベント
小児がんは治療の特性上、半年〜1年と長期入院になる場合が多いです。
長期入院の子供たちの気分転換になるようにと、インターン生が中心となって様々なイベントを開催してくれています。
沖縄の美ら海水族館やプノンペン動物園と連携したオンライン水族館・動物園、アートイベント、ハロウィンなどの季節のイベントなど定期的にイベントを開いてくれています。
治療を頑張っている子供たちがイベントを笑顔で楽しんでくれて、それを見た付き添いの家族や私たちスタッフも笑顔になるそんな素敵な時間です。
今回は、病院で働いている職種や仕事内容を知ってもらい、医療を身近に感じてもらうことを目的にインターン生と協力しオープンホスピタル企画を開催しました。
▼オープンホスピタル
最初に、パワーポイントを用いて各職種紹介をしました。
子供達に分かりやすいようにクメール語で説明するために、通訳さんが協力してくれました。
顔写真付きで紹介することで、病院ではこんなにたくさんの職種が働いていることを実感してもらえたと思います。
職種紹介後は、カラフルなユニフォームに着替え、医師・看護師・薬剤師・検査各部門に分かれて職種体験をしました。
▼医師部門
白衣を着て聴診器を持って写真を撮りました。
ミニドクターの誕生です!白衣は少し大きかったようです笑
またエコーを使って、甲状腺検査を行いました。
体の中のものが見えるのが面白かったようでみんな興味津々でした。
▼看護師部門
入院中の子供達は1日4回、看護師さんがバイタル測定をしています。
オープンホスピタルではみんながバイタル測定をしてみよう!
体温を測ったり、ドキドキする心臓の音を聞いたり、酸素の値を測ったり、血圧を測りました。
続いて採血体験をしました。
化学療法中の子供達は副作用で血液検査に異常がないかを調べるために定期的に採血をします。みんな痛いのを我慢してとても頑張ってくれています。
今回はキャップ付き針を使って採血の練習をしました。
普段、看護師さんの様子をよく観察しているのでみんなとても上手です。
▼薬剤師部門
みんなが普段使用している化学療法の抗がん剤は毎日薬剤師さんが作ってくれています。どのように作られているのか動画で学びました。
続いて、お薬カッターを使用して薬に見立てたラムネをカットしました。
調剤する姿は真剣そのものです。
▼検査部門
検査部では血液像を顕微鏡で実際に覗いてみました。
みんな顕微鏡を覗くのは初めてだったようで、顕微鏡の中に広がる世界に興味津々でした。「見えた!」と嬉しそうに教えてくれました。
また、みんなが頑張ってくれている採血がどのように機械で検査されているかも学びました。
▼大盛況!
カンボジア人スタッフ達もたくさん協力してくれて、オープンホスピタルは大盛況でした!
みんなが笑顔で楽しそうに過ごしてくれて、イベントが終わった後にもわざわざ楽しかったと伝えにきてくれた子もいました。
協力してくださった皆さん本当にありがとうございました。
イベント後はインターン生がオープンホスピタルの写真を印刷して1人1人に渡してくれました。
みんな大切そうにベッドサイドに飾っています。
イベント後に毎朝の回診に行くと私たちの聴診器を手にして音を聞く真似をしたり、ペンライトで自分の口の中を照らしてみたり、、
オープンホスピタルを通してみんなが少しでも医療やスタッフを身近に感じてくれたら嬉しいです。
病気と闘う子供たちがワクワク笑顔で過ごせる時間が少しでも増えるように、これからも素敵なイベントを開催していきたいです。
医師
入澤 里桜