ミャンマー
2019.07.25
関わる人々の「人生の活力」になる 〜ミャンマー専門医療プロジェクト〜
ミャンマー専門医療プロジェクトは、「ミャンマーの患者さんのために」「ミャンマーの医療者の力となるために…」とボランティアにも関わらず協力して下さる日本人医療専門家の方々の熱意で成り立っています。
私たちは、皆様に力を貸していただくだけではなく、この活動をとおして参加した皆さんにも「人生の活力」となる何かを感じてもらえる活動を目指しています。
果たしてその努力が実っているのか?
その答えは、麻酔科医として関わってくださっている高橋智之先生からのレポートをご確認ください。
ミャンマー専門医療プロジェクト 河野朋子
2017年と2018年のマグウェイに続き、2019年6月には南部の沿岸都市ベイ(Myeik)でのミャンマー口唇口蓋裂ミッションに麻酔科医として参加した。
ミャンマーでの活動はたった1週間だが、されど1週間。
1年の残りの40数週の仕事への、いや人生全般への活力になる。
日常の仕事とは全然違う。アウェイ中のアウェイ、外勤中の外勤だ。
患者さんに全身麻酔を行うのは同じだが、手術室の機器も薬のラベルも全然勝手が違う。
素早く情報収集し最高のパフォーマンスを出せるように精神集中する。
現地に入って初めて会う日本人メンバー(日本人術者)はもとより、現地医師、看護師、そして患者さんとその家族とコミュニケーションもとらなくてはならない。
時には英語で時にはミャンマー語で。
参加のためにミャンマー語は必須ではないが、即席で覚えたカタコトのミャンマー語を口にした時の相手の微笑みを見ると、必ずもっと話したくなる。
異国の異文化の生活背景も全く違う患者さんに自分の技術が役に立つ実感が喜びになり、自信になり、そしてまた明日への活力になる。
ミッション中の活動は団体活動。
専門家としての仕事は独立しているが、一緒に食事し、時に一緒に歌う。ミャンマーにとっても日本チームが手術をしに来る、というのは一大イベント。手術スケジュールの最後にはみんなで打ち上げをやる。
その時に現地のヒットソングを歌えるように仕込んでおくのが私の作戦だ。ミッション日程が決まったら、数ヶ月前からワクチン接種や体調管理に加え、ミャンマー語を練習し歌を覚える。
宿からみんなで出勤し、病院で任務をこなし現地の食事をともにする。オトナの遠足のような濃厚な1週間の思い出はしばらく消えることはない。
このような機会を作ってくださったジャパンハートとミャンマーの河野さんに感謝でいっぱいであります。
麻酔科医・高橋智之