ミャンマー
2019.09.18
新たなプロジェクト始動! 〜ミャンマー口唇裂・口蓋裂総合治療プロジェクト〜
「ミャンマーの口唇裂・口蓋裂の患者さんを取り巻く環境を変えたい!」と、9月初旬、ミャンマー全土から25名もの口腔外科医たちが、ミャンマーの首都・ネピドーに集いました。
彼らこそが、今後のミャンマー口唇裂・口蓋裂総合治療プロジェクトを担っていく若きリーダーたち。
彼らと共に、今後10年をかけてミャンマーの口唇裂・口蓋裂総合治療体制作りに挑みます!
日本では、口唇裂や口蓋裂の患者さんや家族に対し、生まれる前から全ての治療が完了する青年期まで、ライフスタイルに合わせて計画された手厚いサポート体制が整っています。
カウンセリング・哺乳指導・手術・矯正・言語訓練などなど…
それはそれは、患者さんの身体面や精神面の両方を考慮した、とても素晴らしいものです。
そして今では、ほぼ機能回復が見込める疾患とされています。
その一方ミャンマーでは、口唇裂や口蓋裂の患者さんや家族を取り巻く環境は過酷です。
患者さんへのサポート体制なんて、今はほぼゼロの状況。
ご家族自らが様々なところから情報収集をし、ミャンマー国内の限られた手術が可能な施設までバスや電車を乗り継いで通いつめます。
でも、うまくミルクを飲めない口唇裂や口蓋裂の子どもの成長発達や体力は十分とはいえず…、せっかく病院までたどり着いても長旅の疲れで体調を崩し、結局手術が受けられないという事態もしばしば。
そして、治療を全く受けることもないまま成長していく患者さんも、まだまだ沢山のいるという現実。
治療が受けられないことによる、患者さんや家族の苦労は本当に沢山。
これは、また追って報告させて頂きますね。
この過酷な環境の改善に挑み、少しでも日本の状況に近づくために立ち上げたプロジェクト。
目標は、患者さんたちが思いきり笑えること。
初回である今回は、日本から招聘した専門家による講義や実習、そして実際の手術指導まで行いました。
若きリーダーたちは、一瞬たりとも聞き逃さない・見逃さないという真剣な眼差し。
そして多くの質問や今後に関するリクエストが、日本の専門家に寄せられました。
次回は12月。みんなで3ヶ月後の再会を約束して別れました。
まだまだ課題も多く、やるべき事は盛り沢山。
この先の道のりは長いけれど…少しでも日本の状況に近づけるように、みんなで乗り越えて行きます。
ミャンマー専門医療プロジェクト
河野朋子