カンボジア
2020.01.06
一歩踏み出せば、見える景色が広がる。
はじめまして。カンボジアでの短期インターンに二度参加しました、丹羽です。
今回は私が何故もう一度短期インターンに参加しようと思ったか、また二度目の参加で起こった心の変化についてお話します。
私が一度目に参加したのは、ちょうど大学の夏休み期間でした。ほとんど毎日がはじめましての連続で、病院がとても輝いて見えたことをよく覚えています。毎日が楽しいなぁと思いながら活動をしていました。しかし、ある方に「同じものでも見る角度が違うと、全然違う面が見えるよね。もしもう1度来ることがあれば、また違うものを感じると思うよ。」と夕焼けを見ながら言われました。もしかしたら、今私が見ているものは氷山の一角なのかも知れない。そう思った私は、その場でもう一度ここに来ることを決めました。
大学に帰ってからは、講義の時間を少し頂いて、活動報告会を行ってきました。私がカンボジアで感じたことを共有することで、誰かが外の世界に飛び出すチャンスを掴むきっかけになって欲しいと思ったからです。その結果、報告会が終わった後に、実は私も海外に行きたいと思っていました!とか、私も行きたいです!と声を掛けてくれた学生がいました。みんな頑張れ!と思うと同時に、自分も負けていられないなと感じました。
そして、二度目の参加。私はいくつか目標を立てました。自分からアクションを起こすこと、スタッフの人とたくさん話をすること、みなさんに元気を届けることです。
これらを実践できた場面が三つあります。
一つ目は、大学で行った活動報告会をカンボジアでも行ったことです。
自分が大学で発表した内容をこちらでもするのは、とても恥ずかしいし、間違っていることを言っていたら嫌だなという気持ちがあり、あまり乗り気ではありませんでした。しかし、私に限らず、外から来た人がここで感じたことを共有することは大切だと思ったし、せっかく提案して頂いたし、やってみるか!という気持ちで取り掛かりました。
日本語で作ったスライドを英語に作り直す作業はとても大変でした。発表はカンボジア人通訳さんに協力して頂き、日本語で行いました。
本来の目的は病院へのフィードバックとのことでしたが、結果としては過去の自分を振り返るよい機会になりました。次は英語で発表してみたいという新しい目標もできました。
二つ目は、スタッフの方々と以前は出来なかったような話が出来たことです。
前回は、みなさんの名前を覚えるので精いっぱい、聞かれたことを答えるだけ。英語が苦手なのもあり、特にカンボジア人スタッフとコミュニケーションを取ることをためらっていたことに気付きました。二度目の参加では、英語が苦手なのは変わりませんが、自分の持っている言葉を並べて、時にはジェスチャーを使って、意志を伝えようと努めました。すると、なんとか会話のキャッチボールが出来るようになりました。色々なことを聞いていくうちに、どんな経緯でここに来たのか、これからの目標は何か、宗教や文化による生活上の違いなども教えて頂くことが出来ました。伝わるかどうかではなくて、伝えたい、知りたいという気持ちが大切なんだなと感じました。
また、同じ女子寮の日本人看護師さんたちとは、それぞれの思いを夜遅くまで語ったこともありました。みなさんが持っている思いが熱いがゆえ、ぶつかり合うこともあると思いますが、ぶつかってぶつかって形を変えていくのがこの病院であると思うので、今後がとても楽しみになりました。
三つ目は、護身術講習会を開催したことです。
「日本人スタッフとカンボジア人スタッフが一緒に楽しめるようなことを企画して欲しい」と、提案して頂いたのは一度目に参加した時でした。保育園の時から護身術を習っていたので、そのスキルを活かせるのではないかと言われたのですが、私なんかが主催しても誰が来てくれるんだろうとか、道場を離れて時間が経っているし何を教えられるだろう、とか色々考えているうちに帰国日になってしまいました。帰国してから、一歩を踏み出せなかったことをとても後悔しました。毎日業務に追われていたスタッフの方々の顔が思い浮かび、自分のスキルを活かしてみなさんが少しでも楽しんでくれるなら、ごちゃごちゃ考えるのはやめて、もう次回はやろう!と決めました。
実際に開催してみると、思った以上に大盛況でした。
首を絞められる状況を想定して逃げる方法をレクチャーしたり、ドクターを腰投げしたり、体の大きなカンボジア人スタッフを投げようとして逆に持ち上げられそうになったり、しっちゃかめっちゃかでしたが、レクチャーの間ずっと動画を撮っていたり、汗だくになりながら楽しんでくれていたスタッフの姿を見ると、自分が勇気を出して一歩踏み出せば、こんなに見られる笑顔があるんだと嬉しくなりました。やってよかったです。みなさんに元気も届けられたかな?
今回の短期インターンで学んだことは、自分が一歩踏み出すことで、見える景色や感じるものの幅がとても広がることです。頭ではいくらでも考えられますが、まずは結果を考えるよりも行動を起こすことが大切だと思いました。
また、一度目に来た時にこの病院が輝いて見えたのは、たくさんの人が日々思いを重ねた結果だということを、再度訪れて知りました。ここには縁の下の力持ちがたくさんいます。
私も縁の下のメンバーの一員になれるように、日本で力をつけて、カンボジアに戻って恩返しが出来ればいいなと思います。
短期インターン 丹羽沙月