ミャンマー
2020.02.25
ワッチェ慈善病院での手術活動 vol.1「準備期間編」
ミンガラーバー!アドバンスドナースの大橋です。
普段、私が活動しているワッチェ慈善病院では、毎月1~2回手術活動が行われています。
これまで、ワッチェでの活動の様子や患者さんたちとの関わりをレポートしてきていましたが、手術活動についてはあまりご紹介したことがなかったなーと思い、ワッチェでの手術活動がどのような感じで行われているのか、活動レポートに書いてみようと思います。
レポートがおそらく長くなってしまうと思いますので、複数回にシリーズ化して皆さんにお伝えしようと思います!
今回は、「手術活動開始前の準備期間」の様子を皆さんにお伝えします。
手術活動時には、手術目的の患者さんが手術実施日に合わせその数日~前日に入院しに来られます。
まずは、患者さんたちの受け入れ準備のためのオペ室や病棟の掃除、物品準備をします。
オペ室は、オペ室内の掃除と消毒をして手術に備えます。
手術中に使用する、滅菌の布(以下、覆布)は日本ではディスポーザブルが普通ですが、ワッチェでは大きな布をマーケットで買ってきて、スタッフの家族がミシンで覆布を手作りします。数百枚もの覆布を手作りするのは本当に大変だろうなとびっくりします。
その布を使用するたびに洗濯し、オートクレーブという滅菌機にかけて滅菌します。
滅菌機に入れる前に、覆布や手拭きタオルや布ガウンをまとめて大きな布に包む作業がこれまた大仕事。
みんなで協力して、布に包み、滅菌機にかけるのを繰り返します。
また、手術で使用する器械類。これらは、購入したものや寄付でいただいたものでそろえているのですが、必ず手術活動前に故障や不足がないかを確認します。
器械がすべてそろっていることを確認し、それらを箱(以下、カスト)の中に入れて煮沸とオートクレーブにて滅菌します。
大きな鍋にカストごと入れて、待つこと30分弱・・・熱々になったカストを鍋から取り出して、また次のカストを入れます、これも火傷をしないように注意を払いながらおこなっていきます。
後は、手術中患者さんの状態を観察するためのモニター、麻酔をかける人に使用する麻酔器、吸引機など、機械類が正常に動くかどうかチェックします。
他にも、手術に使用する糸針、カメラ、物品在庫の確認など細々したこともありますが、安全に手術が行えるよう抜けのないように準備を行います。
続いて、病棟の準備。
病棟のナースステーションは、半外の状態ということもあり、砂ぼこりなどで汚くなりやすいため、しっかり掃除を行います。
手術の患者さんの点滴の準備や、薬剤、バイタルサイン測定のための機械類の作動チェックを行います。
入院の患者さんが来ると、バイタルサイン測定、手術する部位の状態も含め、手術を実施しても大丈夫な状態であるかどうか、全身状態をチェックします。
手術や麻酔の同意書をとることは、日本と同じですね。手術に備えて絶飲食の時間を説明し、入院中、寝るためのベッドを案内します。
患者さんには、必ず家族が1~2人付き添われます。
中には家族全員で付き添って来られる方たちもいて、一つのベッドに家族仲良く横になって寝ている様子は、日本では絶対にありませんが、こちらに来てもうだいぶ見慣れた光景になりました。
翌日の手術活動開始日、手術予定となる患者さんたちのリストを作成し、準備は完了です。
時間が空いた人は、処置に使用するガーゼを折っていたりもしていますが、いつも手術活動前の数日は、準備をしていると時間があっという間に過ぎていきます。
手術活動前のソワソワする感覚には未だに慣れませんが、患者さんやその家族でいっぱいになってくる病棟の様子を見ると、いよいよ始まるな、と頑張ろうという気持ちになってきます。
次回は、手術活動開始後の様子をお伝えします!
アドバンスドナース 大橋理世