活動レポート

ジャパンハートはアジア3カ国と、大規模災害などで無償で医療支援をしています。

ラオス

2018.11.29

活動を支える“人財”

サバイディー☆

ラオス事業で活動している看護師の小鯖です。

先日ラオス北部のウドムサイ県病院で、甲状腺内科診療を行いました。
医療活動を形にするまでには、いろんな手続き・準備が必要になります。

今回は、その活動を支えているJHラオス・スタッフの様子をお伝えします。

まず、ラオスで何か活動をするには、「え!!!?こんなに!」と叫びたくなるぐらいたくさん手続きがあります。
内科診療するにしても、手術活動するにしても、ひとつ一つの活動に2ヶ月前からの書類申請と、政府関係機関との多くのステップを踏んで、許可をもらいます。
政府関係者にご挨拶に行ったときの、机の上の書類の山…忘れられません。この中にJHの書類があるのかと思うと、埋もれてしまわないか不安になりました。

そんなラオス事情にもかかわらず、この手続きを確実、かつすばやくこなすのがアドミンスタッフ。
「裏技があるんじゃないか」と思わせる速さです。この方のおかげで、私たちの活動の安定が保たれています。

現地病院との調整もまたとても大事な仕事になります。
日本のやりかたやラオスの習慣、文化の混ざり合うこの職場で「どう協同していくか」は、私たちの重要なテーマの一つです。地域に根ざしていく医療を提供するために「こうしたらいいんじゃないか」、「この方法はどうかな」、「病院はこう言ってるよ」など、話し合いはいつも白熱します。よりよい協同の形を目指して、各スタッフがそれぞれリーダーシップを発揮しています。

患者さんとのやりとりは、とても大切です。電話で患者さんの状態を確認したり、次回受診日を伝えたり、医療活動にむけての準備はラオス人スタッフなしではできません。また、方言の強い北部の患者さんとのやりとりは、ラオス人スタッフでも時々困った表情を見せることもあります。それでも何百人にもわたる患者さんへの電話を、スマートにこなしていきます。まれに『あれ、なんだか静かになったな・・・』と思うと、患者さんの悩みを聞いたり、日常や人生のさまざまな話も丁寧にうなずきながら聞いていることがあります。その優しさに心温まります。

診察時の通訳はさらに大変です。頭をフル回転させながら、医師と患者さんのコミュニケーションの橋渡しをします。勉強熱心な彼らは、活動に必要な難しい医療用語もどんどん勉強し、吸収していきます。時には、日本医師とラオス医師の間に立ち、説明の困難な病態的な通訳なども行わなくてはなりません。

先日は、病院との会議がありました。会議は病院との関係性構築、協同の形の模索、活動成功への議論など、大事な要素満載の重要な時間です。会議に向けて、協議事項を何度も話し合い、資料作成、ラオス語への翻訳など、前日の夜までみんな一生懸命準備をしてくれました。ラオススタッフの中でも、ラオ語の表現ひとつ抜かりなくチェックし合っています。頼もしい限りです。

私たちが“医療のないところに医療を届ける”には、ここで活動基盤を作っているラオス人スタッフがいます。自分がここラオスで看護師として活動できることに感謝をし、彼らが支えるひとつ一つの活動を大切にしていきたいと思います。

ジャパンハート 国際医療ボランティア ラオス活動レポート

メディカル・コーディネーター 小鯖貴子