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アジア開発途上国、日本の離島・へき地で活躍するメディカルチームの
看護師・助産師たちの葛藤や感動、日々の出来事を綴ったブログ

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看護師

2023.11.27

患者と向き合い、自分と向き合った1年

最後の勤務が終了しました。ついに、帰国します。
ミッション(手術活動)が続いていたため、慌しい日々でした。

それもあるからなのか、来週も普通に勤務があるんじゃないかって思えるほど、実感がありません。
前までは帰国する日を楽しみにしていたはずなのに、いざその日を迎えるとなると、寂しい気持ちがこみ上げてきます。
クマエスタッフや日本人スタッフ、そして患者さん、ご家族とお別れするのは寂しいです。

あの日から1年が経ちました。
知らない土地での生活に、期待と不安を抱きながら旅立った日のことを昨日のことのように思い出します。

この1年は、たくさん収穫もありました。楽しかったこと、嬉しかったこと、悲しかったこと、辛かったこと…。

様々な感情があふれ出た1年でした。
日本だったらきっと助けられたかもしれない…。と思うことが幾度もありました。
国が違えどやることは同じ。

「すべての人が生まれてきてよかったと思える世界を実現する」
「目の前の患者さんを助ける」

しかし、ここにあるものは限りがある。

そのため同僚同士や先生方と話しあり、治療方法を考え患者さんのためにできる最大限の治療を探し実施する。
時に思うような結果が出ないこともありました。別な方法をまた探し、実施する。Tyr and error の繰り返し。

また物が無ければ、作ってみたり。
(乳がん患者さんに使用するバストバンドを使わなくなったズボンで代用したり、砂糖とイソジンを合わせてイソジンシュガーを作ったり、、、)

日本で働いていた時以上に患者さんと向き合う時間が増えました。
そして忘れかけていた患者さんの持てる力を引き出す看護の大切さを再確認しました。

目の前の 治療に専念することも大事ですが、それ以上に患者さんと向き合うことで、患者さんの本来の力を発揮できる看護を見いだすことができ、結果的に最善の治療がついてくることが出来ました。

患者さんと向き合いつつ、自分とも向き合う。

自分の嫌なところや出来ないこと、弱さ、自分の思考過程など明確になる。
そういった場面に幾度も直面し、心がボロボロになり。

以前の私だったら、その場面から逃げ出したり、目を背けたりしていました。

でも、自分と向き合い続けた今は、前ほど落ち込むことが少なくなり、視野を少しだけ広げることが出来ました。
きっと、今すぐには大きく変われないと思う。

それが明日なのか、ましてや数年後なのかはわからないけど、この経験をしたから視野を広げ、物事を客観的に見て行動ができる人間に成長したんだなって思える日が早く来るといいな。

志が高い人たちの中で活動することは、研修後こうなりたいという目標の軸がぶれぶれだった私にとっては、とても辛い時間でもあった。
他の看護師の活動を見ていると、劣等感を感じ、勝手に落ち込むことも。

でも、視点を変えて、
「私の同期は、こんなにも素敵な人たちなんだ。患者さんやクマエスタッフのために向き合う真剣度が誰よりも高くて、Giveをし続けているんだ。クマエスタッフからの信頼度がめちゃくちゃ高いんだよ!! その人がいるだけで安心できる人って滅多にいないでしょ?それが出来ているのが私の同期なんだ」
って自慢したくなっちゃいます。

そして、自分も同期に負けないように別の角度からアプローチしてみたり、考えてみたり。
同期がいたから、ここまで最後までやり切ることが出来たと思います。

ありがとう

カンボジアに来て出会った人たちとの時間は「その時にか見れない・感じることが出来ない」とても貴重な時間でした。

その一瞬は、とてもあっという間で。でもその一瞬でも私にとってはともて大切なものです。
その時一瞬一瞬を大切にし、その時出会った一人一人を大事にしたい。

そんな気持ちが込み溢れました。

コースを通して得られたことはたくさんありました。きっとこの先自分の人生を色鮮やかに豊かにしてくれる暖かいものばかりです。

改めて、このような貴重な経験ができる環境を提供し、サポートしてくださった関係者の皆様に感謝申し上げます。

59期 まき

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