【未来の看護師がスーパーナースに聞きたい10のこと】
国際看護師スタッフ・鈴木知美インタビュー
アメリカ看護留学、カンボジア・ジャパンハートこども医療センター看護師長を経て、現在はジャパンハートが展開する国際看護師育成プログラム「「グローバル看護師・助産師人材開発/実践コース」の担当として活躍するスーパーナース鈴木知美。そんな彼女に、看護師を目指し来春から看護学生になるジャパンハート東京事務局インターン生がインタビューしました。
<未来の看護師がスーパーナースに聞きたい10のこと>
1.現在、どのような仕事を担当されていますか?
グローバル人材育成事業部で、グローバルに活躍したいと思っている看護師さんや助産師さんのサポートをしています。看護師や助産師が、専門職としての能力を最大限に発揮することで、自分たち自身も、またケアを受けた患者さんや家族も幸せになれるようになれば良いと考え、その能力開発のプログラムを作り提供しています。
2.なぜ国際看護師になろうと思ったのですか?
小学生から中学生の時に夢中になったアメリカのアーティストが行っていたチャリティー活動がきっかけで、日本以外の国では貧困や飢えで死んでいく人たちがいるという現状を知りショックを受けました。いつかこのような人たちの為に何か出来る看護師になりたいと思ったのがきっかけです。
3.看護師としてのこれまでのキャリアを教えてください。
看護師になってからはしばらく自分が看護師になったきっかけを忘れてしまっていましたが、7年目のときに、今後の看護師としての自分のキャリアをどうしたいかを考えた際、海外に行く夢を思い出しました。まずは英語を勉強しなければいけないと思い、4年間アメリカに住みながらカリフォルニア州の看護師免許を取得し、その後ジャパンハートの看護師長期研修に参加しました。その後スタッフになった期間も合わせると、ミャンマーやカンボジアには2年半ほど住みました。
4.国内ではどのような形で働いていましたか?
新人から渡米までは集中治療室に勤務していました。帰国してからミャンマーやカンボジアに行くまでの間も、集中治療室やERで仕事をしていました。
5.看護留学、その後のジャパンハートの海外活動地への参加時の語学力は?
アメリカ留学した時は中学1年生レベルで、自己紹介すらできませんでした。ミャンマーやカンボジアへ行ったときは日常会話程度のレベルだったと思います
6.ジャパンハートの活動地へ行って楽しかったこと、大変だったことは何ですか?
異文化に触れ、その中で生活することでこれまで知らなかったことをたくさん知れたことや、自分自身のことも見つめ直す機会があり、とても楽しかったです。大変だったことはたくさんありますが、やはり日本では当たり前のことが、当たり前ではないので、たくさんの命を看取らなければならなかったことが一番大変でした。
そんな中でスタッフや患者さん、その家族たちと信頼関係を築きながら、全力で目の前の命と向き合うこと、それによって一人一人が強くなっていく姿を見られたことはとても印象的です。
7.日本に戻ってきてから役に立った経験はありますか?
日本では様々な制度によって当たり前のように受けられる医療が、カンボジアやミャンマーでは受けられない人がいたり、日本では助かるはずの命を助けることができなかったり、そのたびに多くの現地のスタッフと話し合いをしました。そのなかで、自分自身や日本とは異なる価値観、文化的・社会的背景を知ることで、相手の思いや人生を尊重しつつも何がベストなのか考えるようになりました。
「できないこと」「不足していること」にこだわっていると何もできませんが、チームで何ができるかを話し合い患者さんに寄り添っていくことで、患者さんにとってベストなケアが提供できるという経験をたくさんしました。
8.国際看護師として働くことの魅力を教えてください。
看護師としてのスキルや経験があれば、国や文化、宗教が違ってもどこでも働くことができること、それが決して難しいことではないことに気が付きます。自分自身の適応能力や、やりたいことへの行動力なども高まるので、自己実現の可能性が高まると思っています。
9.どんなことを意識しながら、「グローバル看護師・助産師人材開発/実践コース」に参加してほしいですか?
自分の経験、体験、自己満足のための活動ではなく、自己実現の場所であることを意識していただきたいです。そのためには、団体の理念を理解し、「コース参加者」ではなく自分もチームの一員であるという意識をもって、臨んでいただけたらと思います。
10.国際看護師になりたいと考えている人へアドバイスをお願いします。
ただその国の言語が話せるだけでは国際看護師にはなれません。高いコミュニケーションスキルや柔軟性、自分自身を変化させる謙虚さが大事です。しかし、挑戦する気持ちがあれば必ず慣れますので、ぜひ諦めずに頑張ってほしいなと思います。
自分自身の仕事に誇りを持ち、どこにいても楽しく仕事が出来る、どんなことにも挑戦する看護師になっていただきたいです。