カンボジア
2019.02.28
国際協力の色々なカタチ~インタビュー企画Vol.2 耳鼻咽喉科医:留守(とめもり)先生~
スォースダイ(こんにちは)!
カンボジア駐在助産師の菊地南です。
ジャパンハートの活動は、
わたしたちのように現地に滞在して活動しているスタッフだけではなく
多くの短期ボランティアの活動によって支えられています。
その中でも、カンボジアには何度も現地に訪れ、専門性の高い疾患の診察や手術をしてくださる先生たちがいます。
インタビュー企画Vol.1は産婦人科医の渡邉先生でした。
https://japanvolunteer.org/report/cambodia181114/
今回は、インタビュー企画のVol.2!
みんな大好き、耳鼻咽喉科医の留守(とめもり)卓也先生です。
カンボジアでは耳鼻咽喉科の疾患の診察や治療ができる医師はとても少なく
先生がいらっしゃる時は多くの患者さんが押し寄せます。
どんなに忙しくて汗だくでも、患者さんひとりひとりにいつも丁寧に診察してくださり
現場のスタッフにもいつも優しく接してくださいます。
カンボジア人スタッフも、もちろんわたしたち日本人スタッフも
留守先生がとっても好きです^^
今回、そんな留守先生にインタビューをさせて頂きました!
耳鼻咽喉科 医師 留守(とめもり)卓也先生
●経歴
徳島県出身
1995年~ 千葉大学医学部医学科卒業・同附属病院研修医
1996年~ 横須賀共済病院研修医
1997年~ 東京都健康長寿医療センター研究所 研究生
1999年~ Research Fellow of Molecular Biology, Vanderbilt University, USA
2001年~ 千葉県こども病院耳鼻咽喉科 医長
2003年~ 千葉大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科 助教
2007年~ 東京都立駒込病院頭頸部腫瘍科・耳鼻咽喉科 医長
2019年現在 千葉大学大学院医学研究院 非常勤講師
九州保健福祉大学 非常勤講師
●JapanHeart短期ボランティア参加回数
11回
●JapanHeartの短期ボランティアに参加したきっかけ・動機はなんですか?
学生の頃から、海外での医療活動に興味があり、積極的に参加していました。しかし、専門領域の医師、それも医療界では「メジャー・マイナー」という暗黙の分類で区別される、まさにマイナーの耳鼻咽喉科医になると決めてから、医師としての海外協力は難しいと感じていました。そんな折に、中学校時代の同級生である遠藤医師に会い、甲状腺の手術ができるのであれば、手術機会も多く、十分国際貢献できるので参加すべきだと勧められて、JapanHeartの短期ボランティアに参加しました。
●活動に参加して感じたことはなんですか?
参加して、現場に来なければ分からないものだ、というのが第一印象でした。参加するまでは、総合的な医療の経験が薄い自分に何ができきるのかと思っていましたが、幸い専門領域の手術は数多く行ってきたので、専門外の小手術や腹部手術のお手伝いなどは、これまでの経験で対応することができました。また、日本とは全く違い、予想以上に頭頸部領域の腫瘍が多いことに驚きました。症例が十分にあることを知って、短期ボランティアであれば、日本の勤務を続けつつ、かねてからの海外での医療活動への興味を叶え、現地でのニーズにも答えることが可能であると思いました。
ボランティアですので金銭的負担はありますが、日本での勤務によって、短期ボランティアを繰り返すことができます。複数回参加すると、今度は外来に耳鼻咽喉科の診察を求める患者さんが増えてきました。その患者さん達の思いやスタッフの皆さんの献身的な活動を見るにつれ、ますます参加を繰り返すことになりました。今ではJapanHeartでの経験が、日本での日々の診療もレベルアップさせてくれたと実感しています。
●参加を迷っている人へのメッセージをお願いします!
長期ボランティアのスタッフにはいつも心苦しい気持ちになります。来るたびに、ああもっとやれることがある、という気持ちになるのですから。短期ボランティアを通じて、この思いを感じることも国際貢献だと思います。そして、何よりも実際に参加してみないと分からないのです。職種や専門分野を問わず、まずは一度短期ボランティアを経験することを強く勧めます。私は、医師の国際貢献というのは外科や内科の“メジャー”な科だけがやるものだとイメージしていましたので、症例の数や疾病分布は全くの予想外で、専門家であっても貢献できることは驚きでした。一定の英語力があるに越したことはありませんが、言語については現地スタッフがサポートしてくれます。
大事なことは、医療者としての思いと、日本での日々の診療に真摯に取り組むことではないでしょうか。普段とは異なる環境ですので、混乱することもあるでしょうが、そのような環境で患者の思いに答えるには、結局は心の強さと柔軟性が大事だと思います。これはすべての職種に共通していますし、医療者の方であれば、さらに日本で培った技術が現場でとても意義を持ちます。いわば普段着の皆さんで貢献ができる短期ボランティアへの参加を、ぜひ検討してみてください。
留守先生、ありがとうございました。
先生は、いらっしゃる度にわたしたちスタッフへ「君たちは本当に素晴らしいよ。」と言ってくださることがとても印象的です。
幾度となくカンボジアへ足を運び、決して居心地の良い環境ではない場所で寝食を共にし
流れる汗を拭いながら、ひとりひとりの患者さんに丁寧に診察してくださる先生。
本当にいつも感謝しています。
お忙しい中インタビューに応じてくださり、ありがとうございました!!
第3弾は、誰にしようかな・・♪
お楽しみに!
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カンボジア 助産師 Minami Kikuchi